絶望のネジ
地獄炎!!
天使連打!!
ガウガウッ!!
「いっ…一体何が起こっているのだ…!?」
メカトロフがそう感じるのも致し方ない。
目の前で自慢の兵士がたった2人と一匹に蹂躙されている光景が広がっているからだ。
「メッメカトロフ様!ここは退避を!あやつらの強さ厄災級に匹敵すると思われます!このままですと私達は全滅し…」サクッ
水の刃
「ぎゃあああ!!!」
メカトロフの目の前で近衛兵の腕が切り落とされた。
「ひっ…!!ヒィィ゙~…!助けてくれ!!おっお前等何をしておる!!私を守らないか!!」
「伯爵!早く退避命令を!」
「うっうるさい!!誰に口聞いてるのだ!私を逃がす為にお前等盾になれ。帝国に負けは許されぬのだ!大体この人数でどうしてこんな事になるのだ。このポンコツ共!!」
「このクソ伯爵めが!もう知らん!勝手に野垂れ死ね!総員退避だ!自分の命最優先で退避しろ!」
「皆逃げろ∼!!」
「死にたくないよ~!」
「何を言っておる!!どれだけの金を費やしてお前等を雇った思っておるのだ!おい聞いているのか!おい!待ってくれ!行かないでくれ!行かないでくれ~」
メカトロフの近衛兵達は隆介達のあまりの強さに絶望し、大将を置いて一人残らず逃げて行った。
「さぁてどうしますか?メカトロフ様。貴方の自慢の兵も皆居なくなってしまいましたよ?」
殺意のオーラを纏った2人と一匹はゆっくりとメカトロフに近づいていく。
「ひっヒィィ゙~!!」
ジョバー
メカトロフは恐怖のあまり失禁し失神した。
「無事だったか隆介にたま、そしてグリちゃん。」
「はい。コイツが俺達の事を狙ってやがった伯爵です。」
「メカトロフ伯爵ですね…この御方は帝国内でも生粋の血筋で資金力が凄い為、何でもお金で解決してきた。わがままな御方で有名ですよ。」
「汚えコイツ!漏らしながら失神してるじゃん…あんま見ちゃ駄目だよ王女様は。」
「無様なものですよ。あれだけ服従しろだの賠償しろだの言ってて近衛兵達に見放されてこの有様ですよ。こうはなりたくない大人NO1ですよ。」
「この汚物はとりあえず連れてくとして、残りの兵士はどうするの?」
「無駄な殺戮は起こしたくないからほっとこう。あれだけトラウマ植え付けたら俺達にもう関わって来ないっしょ。」
「確かにそうね。先を急ぎましょうか。」
「グリちゃんその汚物加えて行って。俺ちょっとトラックに乗せるのも嫌だ。汚れそうだし。」
ガウッ「了解!」
隆介は潔癖な為グリちゃんにメカトロフを依頼した。
ガサガサ
(これが最近話題のターマ教とかいうイカれ宗教の奴らかあ。全身黒尽くめで気味悪いなあ…)
(地獄炎って上級魔法じゃない?私以外にも上級魔法を扱える奴がこんなに近くにいるなんてワクワクしちゃう♡)
(あの強靭な肉体の黒装束はまさに武人。一つ手合わせ願いたいものだ。)
隆介達の戦いぶりを怪しい奴らが隠れて監視していた。
近衛兵達との戦いも終わり、先を急いだ隆介達はとうとう帝国の城門まで辿り着いた。
他国の人間にトラックは見られたくない為、森の中にトラックを隠すように停車し、少しの距離を徒歩で移動した。
今回の交渉は小倉、隆介、ステーシアで行う事になり玉ちゃんは待機となった。
グリちゃんはメカトロフを運ぶ為帝国の前までは一緒に行動した。隆介が運べば良いものの潔癖の為拒否したからだ。
「なっ何だあのデカい獣は!何者だ!メカトロフ様ではないですか!?貴様ら帝国の高貴な伯爵に何をした!」
気絶しているメカトロフを見て帝国の門番は驚きを隠せなかった。
「良いよグリちゃんここで。ターマ様の所に戻って。」
ガウッ!
「いや私達は皇子にお会いしに来ただけです。この汚い伯爵は私達が向かう途中で襲って来たのでちょっとだけ懲らしめただけです。」
「なっ…偉大なる帝国を汚す不届き者だ!!皆の者出合え!!」
「やめなさい!!この方々は皇子と私の大切な客人だ。」
「ネジ様!!大変失礼しました。」
「いえいえお気になさらず、皆自国を守りたいのは当たり前ですから。こちらこそ申し訳ない。こんな汚い姿の高貴な伯爵にしてしまって。」
「あなたがネジ様ですか。お初にお目に掛かりますネジ様。私ターマ教幹部の小倉と申します。それにこっちが同じく幹部の隆介と申します。」
「それに今回被害に遭われた聖王国カグヤ第三王女インパクトステーシア様にもご一緒して頂きました。」
「宜しくお願い致します。紹介に預かった聖王国カグヤ第三王女インパクトステーシアと申します。今回聖王国カグヤの代表として今後の事に付いてお話に上がりました。私は全ての権限を父に託されてる為、私の発言は聖王国カグヤの発言として捉えてもらって結構です。」
「ははぁ。私はタケミカヅチ帝国皇子側近のネジと申します。この度は誠に誠に申し訳ございません!」
ネジはブルブル震えながら土下座していた。
目の前にいる圧倒的なオーラとこれからの交渉で帝国の運命が決まるという緊張感。そして状況からその交渉のテーブルに付く前に一人の腐れ外道が勝手な事をしたのが分かり絶望的な状況であると分かった為だ。
「ここで話すのも何なので是非案内してもらいましょうか。皇子の元に(笑)」
小倉はニヒルな笑みを浮かべ、ネジにそう伝えた。




