帝国の進軍
(一体カグヤの国に何が起きているんだ?)
帝国軍順位5位ラチェット男爵、6位ダルクワッシャーからの情報を聞き、タケミカヅチ帝国王子、パイレンタケミカヅチは頭を悩ませていた。
パイレン王子の見立てだと、長年カグヤは軍事力は皆無であり、国の防衛は冒険者に任せていた。
その冒険者も最高ランクがB級であったはず。
よってラチェット男爵のレッドデビルを倒したり、ダルクワッシャーの魔法が効かない魔物を使役してる状況が全く意味がわからなかったのだ。
「ダルクよ。お前程の者が全く歯が立たなかったのか?」
「油断したのは間違いないですが、奴らが使役していた魔物はかなりの脅威かと…使役している者は大した事なさそうですが魔物達は心酔してるようなので、何かの術をかけているやもしれません。」
「私のレッドデビルはカグヤの最高位冒険者竜の絆に討たれました。単独討伐の為A級に昇格したようです。
申し訳ございません。パイレン様」
「おいおい!だらしねぇなあ!?パイレン様こいつらに罰与えたほうが良いんじゃないですか?」
そう発言したのは帝国4位のマッスル鈴木だ。
こいつは要はパワー系だ。
パワーとフィジカルにしか興味がない。
「良いんだ。マッスルよ。ダルクとラチェットのお陰で良い情報は仕入れられた。」
スッ
「パイレン様。非常に興味深い情報を手に入れました。」
そう発言したのは帝国3位で暗殺術が得意なネジだ。
ネジは基本、帝国の影として行動しており情報収集や帝国に仇なす者の暗殺を行っている。
「どうした。ネジ」
「カグヤの領地の森が開拓されており数々の建物が建てられております。」
「何?あの森は強い魔物が蔓延っており手付かずの状態でなかったのか?」
「はい。それとカグヤの住民の中で妙な噂が上がっていました。」
「妙な噂?」
「はい。ターマ教に入れば幸福になる。と言う物です。ターマ教とか言う気味の悪い宗教が新しく開宗されたらしく、カグヤの領地に奇妙な神殿が建てられているのですが、そのターマ教の者達が建てていると思います。カグヤの住民や兵士の被害がほとんど無かったのも、このターマ教創始者が恐ろしい治癒魔法で傷を癒やしたからであり、その力を間近で見た住民はターマ教に心酔してる模様です。」
「ターマ教だと…?また厄介な奴らが出てきたな…そのターマ教とやらは帝国に引き入れる事は出来んのか?それほどの治癒魔法を使える者なら役に立つだろう。」
「恐らくそれは無理だと思われます。」
「何故だ?」
「この帝国にもターマ教は使者を送り情報を収集してるのが分かりました。情報を提供してた者は始末しましたが、ターマ教の使者の方はすでに帝国を出ていました。恐らく帝国軍の情報をターマ教はすでに握ってると思われます。」
「先手を打たれたか。舐めおって!!やむをえん。ターマ教とやらも排除しよう。神殿に近衛兵200の軍を送る。指揮はマッスル、お前が取れ。」
パイレン王子は怒りに身を任せテーブルを殴った。
「俺がいるのに200も軍が必要ですかね?」
「完膚なきまでに破壊するためだ。こういった気味の悪い宗教は破壊し尽くさないと後に引く。帝国の恐ろしさを刻みこんでやれ。メインのカグヤへの攻撃はティグとアークに任せる。」
「はーい!言っとくけど私達に軍はいらないからね?ねぇアーク!」
「うん。邪魔だし。」
帝国2位のティグ 帝国1位のアーク
この二人はもとS級の冒険者だ。
ティグは魔術師、アークは魔法剣士、二人共見た目は幼い兄弟だ。元々S級冒険者だけあって実力は折り紙付きで力を人助けより殺戮に使いたかった為、ギルドを追放されてしまった。
その強さに惚れ込んだパイレンが帝国軍に引き入れた。
「分かっている。敵はA級ギルド竜の絆だ。殺して構わん。だが住民は殺しすぎるな。あそこは世界一の商業都市、金のなる木だからな。」
「やったー!久しぶりに人殺せる!A級ギルドなんか相手になんないけど。」
「僕新しい技覚えた。試し切りに使う。」
「その他の者は森周辺の開拓地を襲え。5000の兵を送る。あの森には強い魔物が沢山いるからな。」
「かしこまりました。」
「後は魔物を使役してる者は殺さず生け捕りにしとけ。使いようがあるかもしれないからな。」
こうして本格的に帝国はカグヤへの攻撃の準備を始めた。




