襲撃
「ケッケッケッ。カグヤの領地はどんなもんかね。」
帝国第6位ダルクは姿を消しながら空を飛んでいた。
ダルクは元々高位の魔術師で特に幻影魔法を得意としている見た目はいかにも魔術師っぽい老人だが、姿を消したり、別人に化ける事もできる厄介な奴だ。
高位の魔術師だけあって幻影魔法以外の魔法も嗜んでいる。
「ん?何だあれは?」
そこにはデカいカブトムシに乗るヤスとドラゴンに跨るいけちゃんの姿があった。
「ヒャッハー今日も昆虫と戯れるぜ!」
「ヒャッハー今日もドラゴン探すぜ!」
二人は某漫画のモヒカンの如く森を疾走していた。
(あの昆虫の魔物とドラゴンは相当な手練れだぞ。乗ってる人間は大した事無さそうだな。よしあの昆虫の魔物とドラゴンを我が配下にしよう。)
「ケッケッケッ。やぁ君達。突然だがその魔物私に譲ってくれないかい?」
ダルクはピエロのような格好して、ヤス達の前に現れた。
「何だお前?変な格好して。気持ち悪ぃんだよ。大体カブちゃんとさすけは俺等の家族だ。あげるわけ無いだろ?なぁいけちゃん。」
「当たり前じゃん。気持ち悪ぃしアイツ。」
「ケッケッケッ。面白いね。君達。じゃあ力ずくで頂くよ。」
「チャームボイス」
(この魔法は魔物の心を操ることが出来る。とっとと魔物達を配下にし、この人間共を殺してしまおう。これだけ強い魔物だ。私の帝国軍の順位も上がるだろう。)
ダルクはこれからの自分の未来を想像し笑いが止まらなかった。
「ケッケッケッ。さあお前等この人間共を殺しなさい。」
「戦闘モード発動。排除します。ボコッ!!」
ドーンッ!!
「ぐわぁ!!」
ダルクがカブちゃんの渾身のパンチを喰らい吹っ飛んだ。
「なっ何故だ!!何故私の魔物が聞かない!!」
「我が主ヤス様に無礼を働いた貴様に教える道理は無い。」
カブちゃんは怒っている。
「ドラゴンブレス」
ドーンッ!!
「なっなんという威力だ!!」
追い打ちをかけるように成長したさすけがドラゴンブレスを放つ。
とっさにダルクは避け急死に一生を得た。
「お前僕のパパに酷い事言っただろ。殺してやる。」
さすけも怒りに満ち溢れている。
(こんな化け物!2体1じゃ分が悪い。一旦引くか。)
ダルクは得意の幻影魔法で姿を消しその場を離れた。
「あっいなくなったあのピエロ!!」
「なんだよ!これからさすけの超必殺技滅びのバーストストリームが炸裂するのに!」
「そんなの覚えてないよ!パパ。」
いけちゃんはどうかしてもブルーアイズの必殺技を覚えさせたかった。
(一体何だったんだ…あいつ等は。)
手負いの体に回復魔法をかけながらダルクは嘆いていた。
(まず私のチャームボイスが聞かない。この魔法は魔力をかなり消費するがAクラスまで魔物には無条件で効く筈だぞ?さては厄災級以上ってことか…?いやそんな訳ない!あの人間にそこまでの力は無いはずだ。何かカラクリがあるはずだ…)
カラクリなどない事をダルクは気づかなかった。
純粋にカブちゃんとさすけが厄災級以上だと。
(ラチェットのレッドデビルがやられたのも裏であの者達が手を引いてるやもしれないなぁ。あの魔物達ならレッドデビルと同等位の強さはあるだろうからな。いずれにせよこの結果は非常にマズイ…カグヤの領地に恐ろしく強い魔物を従えてる者達がいるとパイレン様に知らせなければ。)
色々ダルクは勘違いしているが、この出来事によってより帝国軍の動きが活発になっていった。
「小倉さん聞いて下さいよ。さっき森で変なピエロに会ったんですよ!なぁいけちゃん!」
「うん!会った!カブちゃんとさすけを奪おうとしてました。」
「何!?それは本当か?」
「はい!何か魔法でカブちゃんを操ろうとしてたんですがカブちゃんに効かなくて、カブちゃんがそいつぶっ飛ばしました。」
「了解。とりあえず無事で良かった。社長に報告しておくからお前等飯にしちゃえ。」
「了解しました。」
(隆介に報告する前にあいつに聞いてみるか。)
「もしもし。佐川か?今ヤスといけちゃんが襲撃にあったと報告があったんだが、帝国軍にピエロみたいな奴っているか?」
「小倉さん!勝手に現場外れてすいません!ヤスといけちゃんが襲撃すか?大丈夫だったんすか?」
「勝手に出ていった事は帰ってから説教するから良いとして、ヤスといけちゃんは大丈夫だよ。カブちゃんがぶっ飛ばしたらしい(笑)」
「良かったっす。説教嫌だな…
帝国軍の幹部にピエロはいないっすね。だけど色々な姿に化けれる爺さんが一人いて、そいつ何か幻影魔法とか言う魔法得意らしいです。魔物を操る事とか出来るって情報掴んでるんでそいつじゃないですか?確か名前はダルクワッシャーだっけかな?帝国軍6位の猛者みたいです。」
「ビンゴだ!そいつに間違いないわ!しかしすげぇなお前何処から仕入れてるんだそんな情報。」
「帝国に俺いるんですけど。そこの情報屋ですね。金かかるっすけど。あとはたまに内部入って情報収集してるっすね。結構情報集まったんで一旦戻りますね。」
「おっおう。気を付けて帰ってこい。」
小倉は佐川のアグレッシブさに若干引いていた。




