現実の受け入れ
他の人達も無事なのか?隆介は尋ねた。
「俺らの周り誰一人かけずにみんな無事ですよ!!
みんな同じ状況で同じく職業もらってますね。
俺の先輩で職業 漆黒の騎士ってのがいました!!」
「何それメチャメチャ強そうじゃん。」
「いやそれが漆黒の騎士(中二)って書いてあったらしいんで絶対弱いです。」
恐らくいけちゃんの先輩は拗らせてしまったのだろう。
周りを見回すとやはり土方のおっさんや現場監督など大人達は動揺を隠せないみたいだ。
しょうがない俺が仕切るか。
「皆さん集まれる人集まって下さい。」
隆介はメガホンを取って周囲の人達の注目を誘った。
「今この状況理解出来ないと思いますが恐らく俺たちは違う世界に来ています。」
何だって?
兄ちゃんがデタラメ言ってるんじゃねえか!?
おいおいまじかよ...
隆介の言葉に絶望しているものややり場のない怒りの矛先にしてる者もいる。
「とりあえず俺達には情報が必要です。
情報の共有をしましょう。
皆さん指を横にスライドさせてください。
そこに皆さんのステータスや職業が載っています。
確認して自分達の出来る事や状況の把握をしましょう。」
本当だ!!
なんだコレ俺職業酒飲みって書いてあるぞ!!
俺は船乗りだ!!
俺は傘職人だ。
変な職業ばっかりだな本当にこの世界は。
「とりあえず俺らはこの世界がどんな世界なのか知るために少し周辺を探索してきます。
無理は言わないので誰か来る人います?」
隆介はダメ元で同じく転移したおっちゃん達に尋ねた。
周辺には恐らく魔物が出現するであろう。そういった事を踏まえて少しでも生存の確率を上げる為に、強いスキルの人を集めたいのだ。
「私が行くわ!!」
隆介達の前に現れたのは、筋肉隆々のゴリゴリの人だった。
「自己紹介するね!!私の名前は玉ちゃん!!本名はおじさんっぽいから玉ちゃんって呼んでね!!他の名前で呼んだら粉々にするから♡好きな物は男♡宜しくね!!」
隆々達は久しぶりに粉々っていう単語を耳にし、男を物扱いする玉ちゃんに身震いした。
職業はヒーラー 能力 回復魔法が得意 レベルアップするとその効果は増大し、特別な職業になる。
「私にピッタリのかわいい職業よ♡」
何がピッタリだ、見た目ラグビー日本代表じゃねえかと隆介達は思ったが粉々にされるので堪えた。
だが玉ちゃんの職業は確実に重要だ。もしパーティメンバーが限られていたら真っ先にヤスを切って玉ちゃんを迎え入れるであろう。
「宜しくね玉ちゃん!!」
「宜しく♡みんないい男ね♡私の喜び組にならない?
」
「遠慮しとくよ!!」