王の決意
カグヤまでトラックをフルパワーで運転し20分位で到着した。
「グリちゃん大丈夫かしら?」
「大丈夫だよ。玉ちゃんに怯えてるし。」
玉ちゃんはペットのグリちゃんをエデンに置いてきた事を不安になっていた。
到着したカグヤではカグヤ兵が都市を囲っており、最大級の防衛措置を行っている。
「王女に会わせてください。」
「隆介樣ですね。只今呼びに行ってきます。」
「隆介樣。ご足労ありがとうございます。それでどうだったでしょうか?エデンの皆様の反応は。」
「結果から言いますと…」
隆介は事の経緯を全て話した。
エデンとしての協力ではなく、ターマ教として協力すること。
望みであれば信者をエデンで引き取る事など。
「それと今回協力するとなるなら、ターマ教の存在をカグヤにまず認めて頂きたい。ターマ教はただ人を助けるだけなので金銭やノルマなどはありませんから。」
「勿論です。国として認めるよう父には言います。それとカグヤとしてお礼はどうしたら良いでしょうか?」
王女は覚悟していた。それこそ自分の身を捧げることすら。
「それは王様とお話したいですね。」
心目の表情で王女に返答した。
その表情を見て、王女はそこはかとない不安を襲った。
「承知しました。父と交渉出来るようすぐに準備致します。」
「宜しくお願いします。」
こうして隆介達は王のいる城に向かった。
「隆介様、ターマ様準備が出来ましたのでこちらにどうぞ。」
隆介達はこの都市の王国城の中に入った。
やはり世界一の商業都市の城だ、とてもスケールが大きく目に入る全ての物がキラキラしてみえる。
(すげぇな。)その言葉だけが只々口からでていた。
「お父様。私のお客様を連れて参りました。」
王女がドアを開けた先に長い白髭を生やしたいかにも王樣と言える老人が、派手な装飾のイスに腰掛けていた。
「よくぞ参った。お主らは以前ステーシアを救ってくれたらしいな。一国の王としてまずは礼を言わせてくれ。」
王様は頭を下げ感謝の念を述べた。
「いえ。当然の事をしたまでであります。お気になさらず。お顔を上げてください。」
「さて、今回の一件お主らも知っておると思う。帝国の若造がこちらにちょっかいをかけて来ておる。一国の王として情けないが、軍事的なものは全く勝ち目がない。お主らも協力してくれるのか?」
「そうですね。協力と言っても私達はとにかく目立つ事が嫌でございますので、作戦を立てさせて頂きました。王女様から詳細を聞いて頂きたく思います。」
王女は王に先程の話を事細かに説明した。
「承知した。ターマ教とやらをこの国の王インパクトフリードが認めよう。」
「ありがとうございます。」
「それとお主らへの褒美はどうしたら良い?爵位や領地を望むか?」
「いえ、爵位は入りません。領地もあの森に住ませて頂けるならいりません。開拓は勝手にさせて頂きます。私達が望む物は、大量のGと王子二人です。」
「何!?我が息子スティーブとニコルソンを渡せだと?」
王の表情が怒りの表情に変わり、王室内の空気が一変した。
「はい。失礼を承知で言いますが、これだけの危機的状況でまずこの場にいないのもどうかと思いますよ?それに私は最初この要請をお断りするつもりでした。ですが王女様がこの一般人の私に地面に頭を着け、頼んできたんです。どうかカグヤを救ってくれと。
私も一つの領地の頭をやっていますが中身は一人の男です。困ってる女の子助けてやるのが一人前の男でしょうが!!
言っておきますがね、王女様のお願いだから色々考えてここに来てんだよ!!あんたみたいに国の事考えないで子供甘やかしてる駄目な親父さんの頼みじゃ端からお断りだ!!」
「王女ちゃん一人は私が死んでも守るからね。」
隆介が声を荒げ、玉ちゃんが覇王のオーラで威嚇している。
「!!…ステーシアよ…本当に申し訳ない事をした。駄目な父ですまない。ワシも王妃が先に逝ってしまってから、子供達だけは守らなければと思っていた。
だが一国の王として誤っていた。自国の民が平和に暮らせる事を考えないとな…
こんな若造に気付かされるとは…
分かった!!その条件を飲もう!!
スティーブとニコルソンを連れて参れ!!」
「失礼な事を言ってしまい申し訳ございません。では交渉成立という事で。」
「いや良いんだ。ありがとう隆介殿。」
フリード王は憑き物が取れたかのように穏やかな表情になっていた。
王女は大粒の涙を流しながら隆介達にお礼をいっていた。
カグヤの兵に半ば強引に引っ張り出された、王子二人がやってきた。
カグヤの兵や従者はわがままな王子二人が大嫌いだ。
「何だっ!!貴様達は!!我はこのカグヤの第一王子インパクトスティーブ様だぞ!!」
「わっ私は第二王子のインパクトニコルソン様だぞ!!頭が高い!ひっひれ伏せろ!!」
二人共外に出てないせいかぶくぶくと太っている。
「お前等がダメ兄弟か。今日から面倒みる隆介だ。生意気な口聞いたら隣の魔神にぐちゃぐちゃにされるぞ。」
玉ちゃんが魔神のオーラを出し体全体から血管が浮き出ている。
「ひっ!ひぃ~!!お父様!この無礼者を追い出して下さい!」
「そっそうです!!こんな無礼な奴牢獄にいれないと!!」
「スティーブ。ニコルソン。余りワシの前で無様な姿は見せんでくれ…お前等を甘やかし過ぎたワシがいけないがもう決まった事なんだ。国の為にお前等は隆介殿の領地にいってもらう。」
「そっそんな!お父様可愛い息子を追い出すのですか!嫌だ!嫌だ!」
「僕も嫌だ!!どうか考え直して下さい!ステーシアからも言ってくれ!!」
「とっとと出てけ!クソ兄貴!!」
「ひっ!ひぃ!!」
玉ちゃんに引きづられてダメ王子達は出ていった。
「隆介殿改めて礼を言わせてくれ。そしてあの子達とこのカグヤの国を頼む。」
フリード王は隆介に深々と頭を下げ、握手を求めている。
「承知しました。共に戦いましょう。」
隆介はその手を取り、ガッちり握手を交わした。
これが男と男の約束だ。
その光景を見てステーシアは隆介にガッちり惚れていた。




