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商人

その頃隆介達も聖都市カグヤの正門に到着した。


聖都市カグヤは商人の街なので、正門でのチェックは厳しいのだが、以前王女を助けた事により最優先で正門を通る事が出来た。



(何だよ。あいつら割り込みかよ。)


(違ぇよ。あいつらは王女様の命を救った、冒険者だよ。)


(マジかよ。相当腕が立つんだな。てかあの乗り物は何だよ、勝手に動いてるぞ)


(相当腕が立つんだから何かの魔法を使ってるんだろ?でも良いなあアレ、アレがあったら商品沢山運べるじゃん)



やはり周りの目は、明らかにこの世界に合っていない改造軽トラに向けられるだろう。




「ようこそ。喜び組の皆さん。何ですかその乗り物は!?」



正門の兵士から連絡を受け、王女が出迎えてくれたが、やはり軽トラに驚いていた。



「これは私達の世界で、乗られていた乗り物です。あまり詳しくは言えないので魔法を使ってると言う事にしていて欲しいです。」



「そうですか。承知致しました。では私の住まいに行きましょう。前回言っていた商人を呼びますので。」



「承知致しました。」



隆介達は無駄に広い敷地に軽トラを止め、インパクト邸にお邪魔した。



相変わらず全てが豪華だが一回見たことあるから少し慣れている隆介達。前回の客間に通され王女と商人を待つことになった。



「今日は王女様に手土産を持って参りました。こちらをどうぞ。」


そういって高級ワインを王女に渡した。



「ありがとう御座います。これはあなた方の世界のお酒ですか?」



「そうですよ。王女様のお口に合うか分かりませんが是非飲んでみて下さい。」



作業着姿のオジサンがキラキラしている女性に酒を献上する姿は、まさにキャバ嬢にプレゼントを渡すオジサンそのものであった。


ちなみに王女様に会うということで男達は服は洗剤で水洗いし、石鹸で簡易的に体は洗っている。



(こういう場の為に洗濯機と風呂は必要だな。)



「早速頂いてもよろしいですか?」



「どうぞ。」



執事がグラスにワインを注ぎ、王女はそれを口にした。



「何ですのこの上品で心地よい酸味のお酒は!?今まで飲んだ中で一番美味しいお酒ですわ!!」



そういって嬉しそうに王女はワインを楽しんだ。


(ビンゴだ。恐らくこっちの世界では俺のスキルは金になる)



「お口に合って光栄です。私達の世界でもかなり高級なお酒なので是非王女様に飲んで頂きたくて。」



「こちらのお酒はどうやって手に入れましたの?是非購入したいですわ。」



「中々手に入らない一品ですが手に入りましたら優先して、王女様、いえ聖都市カグヤに卸しますよ。そういった話は、商人の方が来られましたらお話しましょう。」



「是非お願いしますわ。」





そんな話をする中、商人が到着した。



「お初にお目にかかります。私は聖都市カグヤで商人をやっております。エドワード商会会長、エドワードプライヤーと申します。以後エドとお呼び下さい。王女様からお話は聞かせて頂いております。是非お力にならせて下さい。」



そういって挨拶してきたのは、聖都市カグヤの中で一番大きな商会を持つ金持ちそうな小太りのオジサン、エドワードプライヤー(以下エド)だった。



エドの持っている商会はカグヤの中だけでは無く、この世界のほとんどの都市にお店を出しており、売上げ高は恐らく世界一であろう。


ようは世界一信用出き、世界一売上げが出せる商人とパイプを持てたのだ。



「こちらこそ、お初にお目にかかります。これから冒険者になる〃喜び組〃の隆介と申します。お忙しい中足を運んで下さりありがとうございます。本日出会えた記念に王女様と同じく手土産を用意させて頂きました。是非お納め下さい。」



そういって王女様と同じく高級ワインをエドに渡した。



「これはまた、とても綺麗なお酒ですな~王女様は飲まれたのですか?」



「ええ飲んだわよ。とても美味しいお酒だから是非購入したいわ。」



「王女様のお墨付きと言う事は飲まずにいられませんな。私もこの場で頂いて宜しいですか?」



「是非飲んでみて下さい。」


エドのグラスにも執事がワインを注ぎ、エドは口にした。



「なんと!!!程よい酸味で上品な味わい、こんなに美味しい酒は飲んだことないですぞ!!どうやって手に入れたのですか?」



王女と全く同じ反応だな。




「私の能力に関することなので、入手方法は内密なのですが、定期的に手に入れる事は出来ます。単刀直入に聞きますがこちらの酒はどれくらいの値になりそうですかね?」



「そうですか。私も商売人。簡単に入手方法は教えないのは当たり前ですね。失礼致しました。正直に言いますと、私でしたら一本100万Gはお支払いします。それ程美味なお酒ですよ。」



一本100万!!!


この世界での勝利を確信した隆介であった。




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