新たな構想
隆介達は一旦ショピングモールに帰還した。
「この中に職業料理人の人いる!?」
「ワタシ料理人アルヨ。」
中国人の出稼ぎ土木、陳さんが手を上げた。
うわぁ絶対旨いチャーハン作れるよ陳さん。
「実は俺レベル上がって、料理器具一式と家電と米手に入れたんですよ」
隆介はレベルが上がったことにより、購入できるものが増えていた。
主に生活に必要なものばかりだが...
そういった経緯を経て、隆介は仮のキッチンを作った。
「しかもこれ見て下さいよ」
そういって炊飯器の中に米を入れるとすぐに米が炊きあがった。
うぉーすげえ!!!
めちゃくちゃ旨そう!!!
おっちゃん達は歓喜の声を上げた。
「ただ肉系が出ないから代用でこいつ使えないかな?」
そういってオークをアイテムBOXから出した。
うわぁなんだコレ!!
豚の化け物じゃねえか!!!
「とりあえず俺のスキルも限りがあるから極力自給自足したいんです。」
そう。隆介は最低限の食料等は確保出来るが自衛の物だったり暮らしに必要な物にスキルを使いたいのだ。あと酒に。
「任せてアルよ!!」
そういってオークを丁寧に血抜きし、綺麗に捌いてみせた。
一通りの調味料や味付けのタレなどはレベルが上がって購入したので上手く行けば自給自足できる。
フライパンで捌いたオークの肉を入れ、生姜焼きのタレをぶっかけた。
「できたアルよ。隆介食べてみて」
「すげえ良い匂いだ。いただきます。」
「美味え!!!これはヤバい」
陳さんが作った生姜焼きはタレをぶっかけただけなのにめちゃくちゃ美味しかった。
オークの肉は血抜きしたことにより臭みは無くまんま豚肉てあった。
「皆食べてみて!!これマジ旨いから!!後これね」
そういってキンキンに冷えた、発泡酒とハイボールとレモンサワーを机の上に並べた。
「腕がなるアルね」
そういってオークの肉を次々と捌き大量の生姜焼きを陳さんは作った。
うぉー美味え!!!
なんだコレ!!ご飯もホカホカだ!!!
まさかこの世界で生姜焼きが食べれるとは!!
おっちゃん達は久しぶりのジャパニーズフードに感極まった。
飯も酒もたくさん飲んでちょっとした宴会になっていた。
夜も老け、いい感じにおっちゃん達も酔っ払ってる中、隆介は声を上げた。
「お楽しみの中すいません!!皆さんにお願いがあります!!」
おう何だ!!
何でも言ってくれ!!
「明日から探索組と工事再開組、食料調達組で別れてください。」
工事の再開?どうして?
「まずこの森の領地は俺等の物になりました。領地を管理している王女に譲り受けました。」
マジかよ!!
すげえ話だな。
「いつ帰れるかわからないなら、俺等だけのエデンを作りませんか?」
なるほど。
いい考えだ。
「その為にはある程度の防衛は出来ないとマズいと思うんです。」
確かにそうだ。
「あなた方の技術は確かなものです。今こそ日本の技術でエデンを作りましょう!!!」
うぉお!!!
やってやるぞ!!この野郎!!
俺はレベルが上がってるんだ!!いつもよりすごいの作れるぞ!!
元々おっちゃん達は物を造る技術は一流だ。
幸いにも重機や道具なども一緒にこちらの世界に来ているので最低限の建物は造る事ができるであろう。
ただ材料が枯渇してしまう事が懸念されるがレベルアップしてどうなるか考えよう。
「隆介ワタシやりたいことやっと見つかったネ」
「何やりたいの陳さん」
「今日皆にワタシの料理食べてもらったネ。ワタシ皆の喜んでる姿忘れられないネ。」
「なるほど。」
「ワタシ皆が美味しい料理食べてもらいたいから居酒屋やりたいネ」
「居酒屋かよ。でもみんな酒好きだから丁度良いか。皆さん聞きましたか?陳さんの料理食べたかったら居酒屋最優先で作ってください!!」
「その話俺に任せとけ」
そう言って出てきたのはイカツイ風貌の現場監督小倉さんだ。
小倉さんの職業は現場監督そのままだったらしい。
ただスキルとして、適材適所に配置する指示のプロであり必要になるであろう材料調達をこなす事が出来る。
「隆介。俺も実はスマホ持ちでよ、俺はお前みたいにチートな能力じゃねえけどよ、材料はこのスマホで発注できるんだよ。」
「マジすか!!小倉さんに工事再開組の長やってもらって良いですか?」
「こんなに美味え飯食わせてくれるならやるしかないだろ。若い隆介がこんなに頑張ってんだ。俺らにも協力させろや。なあお前ら」
もちろんだ。小倉さんが言うならなんだってやるぜ!
俺もだ。隆介いつもありがとうな。バリバリ働くから美味え酒と陳さんも旨い飯頼むぜ。
「任せろアル」
「任せといて下さい。冷蔵庫にキンキンにしときますわ。」
小倉さんは日本にいるときも部下から慕われておりこの役にはピッタリであった。