一平のスキル
この世界では歴史上魔王の存在は確認されておらず、何故このタイミングで誕生したのかは不明らしく各国その動向を注視しているらしい。
また他国の商人が言うには、誰も近寄ったことのない未開の地(S区域)に突如、歪な形をした大きな城が出来ているらしく、そこに魔王や魔王軍も住んでいるのではないかと言われてる。
このS区域は、荒れ地となっており特にヤバイモンスター達が生息しているらしく、過去に調査として入ったAランク冒険者達が全滅してしまいそれ以降誰も近寄らなくなったとの事だ。
ヤバいやん。これ。絶対関わらないようにしよう。
隆介達は心の中で強く思った。
「ですので森に住まいを設けるのは中々危険ですよ?
大丈夫ですか?」
「大丈夫です。オレ達で森を開拓していきたいと思います。」
「わかりました。開拓したら聖王国カグヤと是非友好を結びましょう。」
こちらこそ宜しくお願い致します。
「もう一つお願いがあるんですが。」
「何でしょうか?」
「聖王国カグヤに滞在している商人を一人紹介して頂きたいのです。
友好を結ぶ際に色々なパイプが欲しいので。」
「全然大丈夫ですよ。聖王国カグヤは商業の国、最も信頼出来る商人を紹介致しましょう。」
「ありがとうございます。」
隆介は自分のスキルを駆使してお金が稼げるのではないかとずっと考えていたため、このような提案をした。
「では俺達はこれで帰ります。」
「もう帰ってしまうのですか?
これからカグヤ随一の果実酒で歓迎したいのですが。」
「イヤこれ以上は大丈夫です。こんなに手厚い歓迎も受けましたし。
後日また顔を出します。」
「承知しました。その際は盛大に歓迎致します。」
「ありがとうございます。」
こうしてインパクト王女の長い歓迎が終わり、喜び組は帰路についた。
一平「正直用意された、食事やお酒あまり口に合わなかったです」
ミヤ「だよな?ぶっちゃけ発泡酒の方が全然上手いし。」
ヤス「多分この世界では歓迎された時の飲み物や食べ物が最高級なんだろ?底知れてね?」
いけちゃん「だとしたら、隆介さんの職業超重要ですね。この世に無い日本の食べ物だったりを用意出来るんですから。」
隆介「いけちゃん鋭いね!!俺の職業はこの世界では金になると思うのよ。だから商人とパイプ作ってお金ガッポ稼ごうと思ってさあ」
玉ちゃん「護衛の兵士も全然タイプじゃないわ。
あの執事はダンディで素敵だけど♡」
とりあえず喜び組は広大な領地と金になる木をゲットしたことに喜んだ。
ミヤ「これからどうします?」
隆介「とりあえず俺はとにかくレベル上げたい。お金も稼ぎたいし」
一平「そんな隆介さんに朗報です。さっき倒したゴブリンでレベルアップして俺激アツなスキル覚えました。」
一平はスキル、倍プッシュを覚えた。
このスキルは2分の1の確率で敵から得られるGが2倍になる。
隆介「すげえじゃん!!メチャ稼げるじゃん。2分の1なら2回に1回2倍だろ?」
一平「隆介さん、俺の職業はギャンブラーですよ?」
隆介「!!!」
そう。一平の職業はギャンブラーであらゆる選択肢に勝つので2分の1ではなく、常に2倍になるのだ。
よって一平が敵を倒せば常に2倍のGを手に入れる事ができる。
ヤス「よし!!めちゃくちゃ稼いで俺に戦える装備買いましょう!!」
確かに元々戦闘能力が高い、ミヤ、一平、玉ちゃんはまだ戦えるが、他は戦闘に関してはからっきしダメなのでとりあえず隆介の職業スキルを上げて戦える装備などが購入出来る事にかけようと喜び組の皆は思った。