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家族の眠る夜の会話

「メリー、お前、どこにいるんだ?」

「なにいってるの? ここにいるじゃない。…アナタ馬鹿そうだからそんな事言っても分からないわよね。詳しくは貴方の脳の中。言葉は左大脳の一部、思考は大脳の前頭葉の前部、運動は大脳の前頭葉の後部、知覚は大脳の頭頂葉の前部、記憶は大脳の側頭葉 、視覚は大脳の後頭葉 」

「……あ?」

「今は大脳の頭頂葉の前部……ね」

「大の……なんだって?」

「坊や…あなた、ホントに馬鹿ね。言われた事は一回で覚えなさい。…私も人間むかしの時はそんなんだったのかな?」

 メリーは静かなお嬢口調で俺に嫌味をぶつけた。俺はメリーに対して爆発しそうな何かを必死で抑えて、椅子に腰かけた。

「で? お前はいつ俺から成仏してくれるんだ……?」

「『隆史が死ぬまで』…じゃないかしら?」

 こいつ……。この先ずっと10年20年…50年……一生、俺に付きまとうきか…。 ウザったい。

「ねぇ隆史、さっきから思ってたのだけど、私の事をそんなに嫌わないでよ。ぎゅぎゅっとしちゃいたくなるの」

 きらわないで?

 なんでそう思うんだ? まぁ確かにそうだが……、これじゃあメリーが俺の考えてる事がわかる事になるじゃないか?

「嫌いなんて思ってないよ、……全然」

「一つ言っとくけど、君が思ってる事考えてる事。大脳の前頭葉の前部を覗けば一目瞭然だわ。…気をつけてね」

 気をつけて…。気をつけて?

「それは俺が気を付けるんじゃなくて、お前が気を付けるじゃないのか?」

「あら、そうなの? 隆史がそんな事を考えなければ、私はぎゅぎゅっとなんかしないわ。だから、隆史が私に対してそんな思いを抱かずに気を付ければばいいのよ。分かった?」

 全然わからない。

 ていうか、わかろうとしたくない。なんだその身勝手すぎる注意は……?

 地球はメリーを中心に回っているのか? 違うだろ。

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