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嘗て勇者の仲間だった俺 ~後悔ばかりの人生に復讐を~  作者: 淀水 敗生
第一章『→つづきから』 ~忘れることができないもの~
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第二十話 お土産

今回は閑話的なもので短い内容となっております。リヴァイアズル帝国に召喚された二人は、どうやらリヴァイアズル帝国と敵対関係になっている様子。

“今後”を考えると、好きなキャラクターである二人ですね。


なぜ彼等は戦うのか。叶えたい願いとは何なのか。そんなことを考えながら読んでいただけると面白いのかなぁ、と思います。

▼▼▼


 そこは異常だった。

 隕石でも落ちたのか。もしくは爆弾が降り注ぐ紛争地帯となったのか。

 本来ならば美しい草原が広がっていた場所には多くのクレーターと黒煙が辺りを汚している。


「標的を見失った、そっちはどうだ」


 若い男は空を飛びながらインカムに向け声を出すが、帰ってくる言葉は芳しくない。


「そうか。

逃げたのだろうな。戦闘終了だ。

みな、帰還してくれ」


 男は油断することなく、辺りを警戒しながら自国へと飛ぶ。

 帰還を宣言した男に疑問の声があがる。


「あぁ、追わない。

彼の能力は危険だ。過去に二人“喰われている”。

彼を殺す時は確実に殺せる時だけだ。罠である可能性がある今回の逃亡では追うことはない。

コチラは数と質を揃えて堂々と迎え撃てばいい」


「雨傘千里《あまがさちさと》様、お仕事お疲れ様でした」


「テルか」


 男が自国へ向けて飛んでいるとメイド服を着た女性が若い男、雨傘に向けて飛んでくる。


「迎えはいらないと言ったはずだが?」


「千里様のことですから、また無茶をなさっているのではないかと思いまして」


「安心しろ、今回は撤退だ」


「そうですか。それならば安心でございます。

千里様が喰われてしまっては、私は悲しくて泣いてしまいそうです」


「無表情で言われても何も感じないな」


「機械ですから」


「には見えないんだが····まぁいい。

取り敢えず、帰ったらみなを収集してくれ」


「遠征に向かってる方達はどうされますか?」


「明日までに集まれるやつだけでいい」


「了解しました。内容はどのような?」


「王国の、俺達と同じ異世界人についてだ」


「了解しました」


 千里は会話を止めて顔を上げる。

 見えてきたのは山頂上に見える巨大な要塞。この世界で最も大きい影響力を持つ国ゴライアス帝国だ。


▼▼▼


「クッソ!追っては来ねぇか」


「ま、アイツらには追って得られるメリットは無いしな」


「チッ!喰えるかと思ったんだがな」


 そう言って悪態をつくのは王国に転移したばかりの神崎達を襲撃した天津賢人《あまつけんと》だ。その隣では荒島雪斗(あらしまゆきと)が服に付いた土を払っている。


 クレーターの中、黒煙に隠れながら二人はゴーラ帝国に召喚された異世界人が突撃してくるのを期待していたのだが、読みが外れ、二人は静かに黒煙に紛れて森の方へと逃げる。


「今回の襲撃は早計過ぎたんじゃないのか?

コッチは二人だ」


「問題ねぇよ。

元々勝てるなんて思っちゃいねぇ。時間稼ぎさえできればいいんだ」


 賢人は眉間に皺を寄せながら歩く。

 雪斗には賢人の考えていることはわからないが、余計に突っ込んでも怒られるだけなのはわかってきた。だから適当に話題を変える。


「リヴァイアズル帝国から逃げてからかなり時間経ったよなぁ」


「クソ野郎共に人形の如く利用されて使い潰されるくらいなら逃げた方がマシだ」


「まぁ、そうなんだけどよ」


 リヴァイアズル帝国に召喚された人数は十人。初めは帝国に従い、ゴーラ帝国を倒すために動いていたが、リヴァイアズル帝国の上層部は腐り切っており、利用する価値もないほど機能していなかった。


 結果は二人はリヴァイアズル帝国から逃亡し、ゴライアス帝国の異世界人達を倒す算段を立てている。


「それで、味方を増やす算段はついてんのか?」


「火傷女が無理なら王国しかねぇ」


「だが、一度奇襲してるだろ」


「誰一人殺しちゃいねぇだろ。そうなれば恨みも薄い。

だが、手土産は必要。そのための時間稼ぎだった」


 話が戻った。

 雪斗は不器用な相棒に苦笑が漏れそうになるが口を塞いで止める。

 怒られるのは勘弁だ


「えーと、手土産が時間稼ぎ?」


「ゴライアス帝国は王国の異世界人達を狙ってる。

俺達が考えることは同じだろ。成長する前に潰したいはずだ。

それを俺たちがゴーラ帝国に奇襲することで時間を稼いだ。

その時間が奴等にとって自らを鍛える重要な時間となるはずだ」


「なるほどなぁ」


「火傷女との同盟が無理なら王国とする」


「だからスカーレットと同盟破棄した瞬間ゴーラ帝国行くとか言い出したのか。連戦は辛いんだが·····」


「持久力がテメェの十八番だろうが」


 雪斗は溜息を吐きながら賢人と共に森の中を進む。

 目指すは王国だ。

 全ては、自らの望みのために。


 雪斗は首にかけたペンダントを固く握りしめる。


この物語を読んで少しでも面白い、登場人物達を応援したいと感じたのならば


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また、良かった点、悪かった点、気になった点など、お気軽にご指摘ください!!


 皆さんの応援が糧となって物語は進んでいきます!!!


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