第5話 少女②
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「全く、落ちこぼれのくせに手間を掛けさせてくれる。早く始末してこんな任務は終わらせたいものだな」
老人はそう呟き彩斗達が逃げた方角に歩き始めた。
「うん?」
そこで老人が目にしたのは少女の胸の辺りに手を置くターゲットの少年だった。
(何をしているんだ?……まさか、あの魔導兵器の少女と契約をしようとしているのか?!)
老人が魔導兵器に命令しようとした瞬間、目の前から光が溢れ出た。
「……わかった。君と契約を結ぶ」
彩斗は少女の提案を受け入れた。
「ありがとうございます。早速契約に移りたいと思います。手を私の胸に置いてください」
「……」
彩斗は困惑していた。契約の方法は魔導兵器のタイプによって違いがあるが、人間型の魔導兵器との契約を結ぶのに胸に手を置くと言うのは聞いたことがなかったからだ。しかも相手は女性型、美少女だ。彩斗も男なので困惑してしまう。
「?どうかしましたか?」
「いや、女性の胸に手を置くのは……」
彩斗がそう言うと、レイシアは彩斗の右手を掴み、自らの胸に押し当てた。
「っ?!」
彩斗のの右手には柔らかく、弾力が伝わってきており、彩斗は顔が熱くなるのがわかった。するとレイシアの体が光り口から事務的な言葉が聞こえてきた。
「魔導兵器レイシアの契約を始めます。この魔導兵器と契約する際は全てにおいて契約者の自己負担になります。それでは契約に進みます。……ユーザの前情報がありましたが、情報の劣化と破損によりこのままでは悪影響が出る可能性があるので情報を更新します。しばらくお待ちください」
(……前の情報?俺はこのレイシアと契約するのは初めてのはず、一体どういう事だ?」
「……情報の更新が終了しました。ただいまを持ちまして魔導兵器レイシアとの契約を終了します。幸運を願います」
これで契約は終了したが、今ので気になる事が出てきた。
「……レイシア、君は本当に何者なんだ?」
「それはあの魔導兵器を倒してからにしましょう」
レイシアが顔を向けた先には老人と魔導兵器がいた。