第1話 現状
黒金彩斗は、目を覚ました瞬間、また負けてしまったと感じた。彩斗は入学してから一度も勝利をしていなく、いや、中等部時代から負け続けている。
「おや、最弱の魔術師君が目を覚ました様だよ!」
彩斗の近くで大声でそう叫んでいる一人少年、先程の彩斗の対戦対手の大黒正輝は彩斗を馬鹿にする様な視線で見てきた。
「いやいや、ある意味尊敬するよ。魔導兵器も用意しないで、生身で戦いを挑むなんて、いくら何でも僕には真似する事ができないからね!」
正輝がそう言うと、周りの生徒はクスクスと彩斗の事を見て笑っている。
魔導兵器には様々タイプが存在し、過去のデータによると、一体で都市を壊滅させたと言う記録が残っており、全世界で共通のランクが存在している。
S、A、B、C、D、E、Fの七段階に分かれており、中にSランクより上の魔導兵器が存在するとも噂されている。
「まあ、しょうがないよ。学年でもトップクラスの僕と僕のライオネルが相手ならね!なんでいっても、僕のライオネルはBランクだからね!」
正輝が自慢する様にそう言う。実際に生徒の中でBランク以上の魔導兵器を持っている者は全体でも、上位の生徒しか持っていない。
「ま、君の場合は僕の魔導兵器以外にも負けると思うけどね!」
彩斗はその言葉を聞き、逃げる様にしてその場を去った。
よかったら、感想、評価、登録お願いします