設定・資料集
日中尖閣諸島沖軍事衝突
2019年1月に尖閣諸島沖で起こった軍事衝突。中国の武装船による海上保安庁への攻撃と尖閣諸島上陸に端を発し、その後、人民解放軍海軍と海上自衛隊との戦闘に発展した。在日米軍の参戦後、人民解放軍海軍は直ちに退却したため、経済の失速により増幅する中国国民の不満不信を抑えるための中国共産党による一種のパフォーマンスだったとも、または南京軍区の独断だったとも云われている。しかし、南西諸島の一部有人島に艦対地ミサイルによる攻撃を受け民間人死傷者を出すなど、日本側としてはとても無視出来ない被害を出したため、この事件を機に国内世論は急速に右傾化することになり、日本政府も自衛隊の武装強化、及び憲法改正に動くこととなった。
東亜戦争(第3次世界大戦)
2019年12月、日中尖閣諸島沖軍事衝突の結果に納得しなかった瀋陽軍区の反乱を端として勃発した「中国内戦」により、中華人民共和国から北京を奪った「新中華人民民主共和国(通称・新中、中国政府に反旗を翻した人民解放軍による軍事政権)」が2022年11月、同盟を組んだ北朝鮮とともに周辺諸国(ベトナム・フィリピン・日本・台湾・韓国)に対し宣戦布告したことにより始まった戦争。後に第3次世界大戦と呼ばれる。
北京を奪われた中国共産党は成都・チベットに逃れ、「成都臨時中央政府」を設置。チベットに保管されている核弾頭を盾に抵抗を行った。
戦争末期のインド、ロシア、モンゴルの対新中参戦により、2024年1月に新中は降伏、2024年3月の北朝鮮の降伏により東亜戦争は終結。敗戦により新中華人民民主共和国は崩壊し、中国共産党が政権に復帰した。しかし国連によって、中国共産党は自らの指揮下にあるはずの軍の暴走を抑えられず、戦争を招いた責任を問われ、また復興援助と引き替えに人民解放軍の縮小や多国籍軍の駐留、所有する核の国際共同管理など、各戦勝国の要求に応じることとなった。
日本国憲法、自衛隊
2019年1月に発生した尖閣諸島沖日中軍事衝突、及び同年12月に勃発した中国内戦の煽りを受け、憲法9条第2項が改正された。
それに伴い自衛隊の存在意義も変わり、正式に日本「軍」として設置されることになった。なお名称については「自衛隊」の名に愛着を持つ国民が多かったため、日本国内の公式の場においては「自衛隊/日本軍」という併記方式をとる場合が一般的。なお英訳は「Japan armed forces(日本軍)」である。
階級も二等陸尉/中尉という形で併記をとるのが一般的。
国内メディア、政党
2019年1月に中国が実際に日本に対して軍事行動に出たために、中国脅威論を虚構であると広報していた革新系の国内メディア、政党、及び市民団体は国民からの求心力を失う。
2019年以降は、保守・右派系のメディア、政党が世論の圧倒的な支持を得ることとなっている。
海外に所有する日本貿易基地
いくつかの友好国、及び日本国が「転移」後に手に入れた領土である「外地」には、日本船籍の艦船が利用する為の貿易港が日本国により建設されている。いくつかの基地には日本本国から派遣された海上自衛隊護衛隊が常在しているものもあり、周辺海域の治安維持の為の軍港としての側面も持つ。各基地には建設順に番号が振ってある。
渡名波駐屯地/ゼロベース
在イラマニア王国・スーサ貿易基地/ファーストベース
在ロバーニア王国日本貿易港/セカンドベース
在セーレン王国・シオン海軍施設/サードベース
幕照総合軍用基地/フォースベース
在トミノ王国日本貿易基地/フィフスベース
在エルムスタシア帝国・ルシニア軍用基地/シックスス・ベース
在ミケート・ティリス日本租界/セブンス・ベース
在ドラス・ティリス日本租界/エイトス・ベース
在ベギンテリア日本租界/ナインス・ベース
七龍
日本が転移した先の世界において、他の無数の国々とは国力・軍事力が隔絶している7つの列強国家の総称。
1、日本国
2、ショーテーリア=サン帝国
3、クロスネルヤード帝国
4、神聖ロバンス教皇国
5、アラバンヌ帝国
6、イスラフェア帝国
7、スレフェン連合王国
魔力
この世界では、詠唱などで魔法を実際にその身1つで使用できるのは魔術師と呼ばれる存在だけだが、魔力そのものは全ての人間の体内に宿る。非魔術師が体内に宿る魔力を使うための触媒が魔法道具である。しかし、魔力そのものを一切持たない日本人が魔法道具を使うためには他の魔力を持つ者による補佐が必要。
尚、体内に有する魔力の喪失は個体そのものの死を示す。故に魔力を持たないイスラフェア人は古代より「死人」と同様の存在として恐れられ、他の民族から「死の民」という蔑称を与えられた。この呼び名は一般名称化して現在も使用されている。
信念貝
「遠隔地間音信魔法」を用いるための魔法道具。貝それぞれに降られたコードを唱えると、貝の中に向けて発せられた音声を所有者の魔力に乗せて、他者が持つ特定の信念貝に飛ばすことができる。これによって中近世の世界観を基軸とするこの世界において、第2次大戦時並みの情報伝達速度を実現することが可能になっている。尚、魔力を全く持たない日本人がこれを使用すると、魔力を持つ他者から飛ばされた音声を聞くことはできるが、こちらから通信を飛ばすことは出来ないため、会話を成り立たせることは不可能。もし日本人が使用する場合には、上記の通り、魔力を持つこの世界の住人に貝を持ってもらい、その人物の魔力を借りて会話するしかない。
一般人が個人所有する様なものでは無く、また、通信可能な距離は貝の種類のよって異なり、海を超えた通信が出来る”長距離通信用”の貝は個数も少なく高価である。
海獣
北極及び南極といった極寒地帯の海に棲息する大型の海洋生物の総称。決して人には懐かず、万が一海上で出くわしたらこの世界の船ではひとたまりもないが、極地の海以外に出没することは極めて希で、一般的な航路上での遭遇例は数えるほどしかない。様々な形態や種類が確認されているが、その生態の多くはまだ解明されていない点が多く、人々にとっては畏怖、恐怖の対象である。
帆船
この世界の帆船(特に軍艦)には「風使い」と呼ばれる魔術師が常に乗船しており、船の航行を補助している。有事の際には風使いの魔力が保つ限り風を発生させ、帆船の速度を大きく上げることも可能。
その他には龍に引かせることで航行速度を上げる事が出来る。
単位
話し言葉の垣根が無い世界だが、我々の世界とは物の単位が異なる。
「リーグ」:こちらの世界のリーグとは異なる。約0.7km。
「ルーブ」:「リーグ」の1000分の1。約70〜80cm。
「ヤガル」:約1.05トン。
「マガル」:「ヤガル」の1000分の1。約1.05kg。
テラルス星とアレクサンドリア星
「テラルス星」とは日本国が2025年9月4日に転移した惑星の名であり、名称が判明するまで、日本政府は便宜上「カウンターアース」と呼称していた。テラルスには地球の月にあたる巨大な衛星が1つ確認されていたが、後の観測によって衛星というよりも連星と呼ぶべき存在であることが分かり、テラルスは2重惑星を成す天体であることが明らかになった。
JAXAはテラルスの対に当たるこの星に「アレクサンドリア星」という名称を与えて調査を行っている。尚、大気組成はテラルスとほぼ同様であることが分かっている。
亜人
人間と同程度の知能を持ちながら、人間と異なる肉体を持つ知的生命体の総称。数多の種類が存在し、世界中に分布するが、その殆どが「アナン大陸」という南半球に位置する大陸に居住している。亜人に対して人間を「人族」と呼び現すことがある。
・獣人
主に哺乳類、爬虫類、鳥類の特徴を持つ亜人。最多を誇る種類。
例)狗人族、兎人族、鳥人族、蛇人族、半人半馬族、猫人族、象人族etc
・昆虫型亜人
主に節足動物の特徴を持つ亜人。人間から最も遠い容姿をしている者が多いが、中には比較的人間に近い姿をしている者も居る。
例)百足亜人、蜂亜人、バッタ亜人、蜻蛉亜人、アラクネ族、蝶人族etc
・魚介類型亜人
主に魚介類や水中に住む甲殻類、両生類の特徴を持つ亜人。種族によっては刺激の強い外見をしているが、人魚族の様に人間に近く、華麗な姿をしている者も居る。
例)魚鱗族、人魚族、魚人族、蟹人族etc
・伝説種
上記3つに属さず、尚且つ地球の伝承に登場する亜人種の総称。この分類は日本人が独自に設けたものである。特殊能力を持つ種族が多い。尚、この分類に属する吸血鬼族は、全ての亜人種の中で最強と謳われる。
例)人面鳥族、人狼族、吸血鬼族、エルフ族、ゴーゴン族、サイクロプス族、ドワーフ族、小人族etc
・分類不可な亜人
上記4つのいずれにも属さない亜人。
あかぎ型戦闘機搭載護衛艦
2025年3月に就役した戦闘機搭載型護衛艦であり、戦後初の航空機の離発着を主目的とした護衛艦である。一般的な分類としては正規空母に属している。2019年に勃発した「日中尖閣諸島沖軍事衝突」において死傷者が出たことを重く見た日本政府は、右傾化していく世論の煽りも受け、防衛指針として中国を仮想敵国として認定し、主に対中対処を目的とした敵先制攻撃能力・防空能力・遠隔地攻撃能力の強化を行うため、31・32DD計画を大幅に改訂した。そして戦後初の正規空母「あかぎ」が2025年に完成した。しかし、建造中の2022年に「東亜戦争」が勃発。日本政府は作戦投入を目指して完成を急いだが、米国の本格参戦、及び戦争末期の印露の参戦を経て2024年3月に東亜戦争は終結を迎え、対中国戦投入という当初の最大目的を失った建造中の「あかぎ」は、計画のみに終わり太平洋戦争で日の目を見ることがなかったかつての超大和型戦艦の命名案の1つと言われる「紀伊」になぞらえて「平成の紀伊」と揶揄された。
なお兵装・形態については、各国の空母を視察した防衛省によってフランス海軍の「シャルル・ド・ゴール」がモチーフとして選ばれた(原子力空母では無い)。転移後の2028年に2番艦「あまぎ」が就役した。
同型艦 1番艦「あかぎ」 2番艦「あまぎ」
排水量 基準 42、200t
満載 52、300t
全長 273m
速力 27ノット以上
乗員 1960名
兵装 20mm機関砲CIWS 2基
SeaRAM 近SAMシステム 2基
Mk.41 VLS 8セル 1基
米国製蒸気カタパルト 2基
搭載機 F−35C 33機
E−2D 3機
SH−60K 8機
計 44機
しまばら型強襲揚陸艦
2014年の「マキン・アイランド」視察などで計画が上がり、2019年に起工。日中衝突、及び東亜戦争の勃発により建造期間が早められ、2021年12月に1番艦「しまばら」が配備。後に2022年と2023年に2番艦「おが」、3番艦「こじま」が就役した。国内の離島奪還を目的として建造されたが、東亜戦争においては国内離島への部隊の輸送だけでなく、中国、朝鮮半島への派兵・揚陸にも従事した。
同型艦 1番艦「しまばら」 2番艦「おが」 3番艦「こじま」
排水量 基準 27,900t
満載 40、300t
全長 255m
速力 23ノット以上
乗員 2960名(上陸要員含む)
兵装 20mm機関砲CIWS 3基
12.7mm機関銃 7〜15基
SeaRAM 近SAMシステム 2基
シースパロー短SAM8連装発射機 2基
艦載艇 LCAC3隻
その他の作中兵器・用語
○陸上自衛隊/日本陸軍
20式水陸両用車
アメリカ製の水陸両用車である水陸両用強襲輸送車7型の後継として設計された、日本独自の水陸両用車。AAV7よりも積載量が若干劣るが、水上での最高速度は24ノットを誇り、地球では世界最高水準の性能を誇る。
22式装輪装甲車
96式装輪装甲車の後継として2022年に制式採用された装輪装甲車。
○海上自衛隊/日本海軍
たかお型ミサイル護衛艦
現実における8200トン型護衛艦(27・28DDG)。イージスシステムのベースライン9を搭載し、弾道弾迎撃ミサイルである「スタンダードミサイル3」が発射可能で、「共同交戦能力」に対応している他、「スタンダードERAM」を用いた超水平線攻撃、即ち「海軍統合火器管制-対空」に初めて対応した護衛艦である。
1番艦「たかお」 2番艦「まや」
さくら型多機能護衛艦
現実における3900トン型護衛艦(30FFM)。植物が命名基準。掃海艦艇の定数削減を受けて機雷敷設能力が備わっている。あかぎ型戦闘機搭載護衛艦とながと型ミサイル護衛艦の建造、そして転移によって建造計画が大きく遅延した。
1番艦「さくら」 2番艦「かえで」 3番艦「ひのき」 4番艦「つばき」
5番艦「すみれ」 6番艦「あおい」 7番艦「すいれん」 8番艦「くすのき」
9番艦「たちばな」 10番艦「やなぎ」 11番艦「すすき」
12番艦「かつら」 13番艦「さかき」 14番艦「けやき」
15番艦「かえで」 16番艦「いちょう」 17番艦「よもぎ」
18番艦「わらび」 19番艦「うつぎ」 20番艦「りんどう」
ながと型ミサイル護衛艦
あかぎ型戦闘機搭載護衛艦と同じく「日中尖閣諸島沖軍事衝突」の煽りを受けて計画・建造された、日本で初めて巡航ミサイルの発射能力を備えた護衛艦。ロッキード・マーティン社で開発された長距離対艦ミサイル、ノルウェーで開発されたVL−JSMが発射可能。巡航ミサイルの発射能力を得たことで、それまでのイージス艦から命名基準が変更された。
1番艦「ながと」 2番艦「むつ」
さつま型ミサイル護衛艦
こんごう型ミサイル護衛艦の後継として建造され、2036年に1番艦「さつま」が就役した。この艦の建造によって、就役から40年が経過していたこんごう型の退役に漸く目処が立った。その装備は大方、イージスシステムの“コピー品”から成っている。海上自衛隊の護衛艦で初めて「統合電気推進」を採用しており、主砲をレールガンに置換する計画が立てられている。
1番艦「さつま」 2番艦「しなの」 3番艦「いわみ」 4番艦(建造中)
三三式砲弾
2033年に正式採用された純国産のレーザー誘導砲弾(スマート砲弾)。誘導方式はセミアクティブ・レーザー・ホーミングであり、TACOM改との連携が可能。Mk45・5インチ砲の砲弾と互換性を有している為、「あきづき型」「あさひ型」「あたご型」「たかお型」「ながと型」「さつま型」「さくら型」にて運用が出来る。
第41・42航空群
空母保有が決定したのと同時に、日本版空母航空団として設置が決定された新たな航空群。航空集団隷下。群司令は一佐を以て充てられている。「あかぎ」を母艦とするのが第41航空群であり、「あまぎ」を母艦とするのが第42航空群である。第42航空群については、転移した当初は2番艦「あまぎ」と同様に編成・配備が不完全であった為、クロスネルヤード戦役の際には米海兵隊の第1海兵航空団と共同で編成され、F/A−18戦闘機17機が参加した。
・第41航空群
基地 厚木航空基地(神奈川) 搭載航空母艦「あかぎ」
部隊 第1飛行隊(F−35C コールサイン“シェパード”)
第2飛行隊(F−35C コールサイン“ジャック”)
第1警戒航空隊(ホークアイ)
第411飛行隊(シーホーク)
第41整備補給隊
・第42航空群
基地 大村航空基地(長崎) 搭載航空母艦「あまぎ」
部隊 第3飛行隊(F−35C コールサイン“ライトニング”)
第4飛行隊(F−35C コールサイン“オルカ”)
第2警戒航空隊(ホークアイ)
第421飛行隊(シーホーク)
第42整備補給隊
第71航空隊
しまばら型強襲揚陸艦にて運用される15機のF−35B戦闘機が属する新たな航空隊。航空集団隷下。隊司令は一佐を以て充てられている。
基地 小月航空基地(山口)
部隊 第5飛行隊(F−35B コールサイン“ホエール”)
第71整備補給隊
第1遊撃隊
あかぎ型戦闘機搭載型護衛艦の2隻が属する部隊。護衛艦隊隷下。隊司令は海将補(二)を以て充てられている。司令部は横須賀基地。
第1多目的輸送隊
しまばら型強襲揚陸艦の3隻が属する部隊。護衛艦隊隷下。隊司令は海将補(二)を以て充てられている。司令部は呉基地。
○航空自衛隊/日本空軍
F−3戦闘機
通称「烈風」。F−2戦闘機の後継として設計・生産された作中最新鋭のマルチロール戦闘機。元々は第6世代戦闘機と銘打って日英共同開発が進んでいた。転移によってイギリスとの連携が絶たれ、開発事業の中断が余儀なくされていたが、2031年に開発事業が再開し、2035年に量産機の納入が開始された。シリコン・カーバイド繊維やメタマテリアル、プラズマテレビ用電磁シールドを機体の素材に用いることで高いステルス性能を持ち、高出力のレーダーによるカウンター・ステルス能力を備えている。これによって、大多数の徒党を組んで襲来するこの世界の“竜騎兵”をより遠距離から、且つ正確に発見・捕捉することが可能となった。また、TACOM改とデータリンクすることでクラウド・シューティングを行うことも可能。外見はF−22やF−35に似ているが、F−2の後継機である為、F−2同様に空対艦誘導弾を4基搭載出来るなど対艦戦闘能力が高い。
TACOM改
2016年に退役していた無人偵察機TACOMの改良版。戦闘機から発射されて地上基地に自動で帰投するタイプと、飛行甲板から発艦して手動で操縦する艦載機タイプがある。F−15J/DJ戦闘機だけでなくF−3戦闘機からも発射可能になった。連続飛行時間は最大8時間。偵察だけでなく、標的へのレーザー照射によってセミアクティブ・レーザー・ホーミング誘導の支援も行える。