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狐火編 序譚

さいしょのひとつはのぞきあな

ふかくてくらいきつねあな

みちくさほらあないきどまり

よっつよみちはそらのあな

いつものこみちにおとしあな

むごんのふるいどくろいあな

ななつのこどもをつれてった

やまのほそみちよるのあな

ここのびきつねのひいさまの

とおのねがいはかげのあな

風に、声が聞こえる。

ああ、これは誰の声だろう。

男のひとの声だ。

優しそうで、どこか哀しげな声。

知らない声の筈なのに、何故かとても懐かしく感じる。 


遠くから、祭囃子が聞こえる。

笛や太鼓の音に混じり、歌が聞こえる。

“あかねのねいろのそのむこう”

“あかねのとりいのそのむこう”

“せかいのあわいのゆめうつつ”

この歌・・・何の歌だろう・・・?

聞いたことが、ある気がする。


遠くに、何かが見える。

あれは・・・男の人・・・・?

濃い緑色をした着物を着て、顔には狐の面をつけている。

さっきの声の人だろうか。

じっとその人を見ていると、その人も私に気付いた様で、こちらの方に歩いてくる。

カラン、カラン、と乾いた下駄の音が小気味良い。

気が付くと、男の人は私の目の前にいた。

そして、彼はつけていた狐の面を外してこう言った。

「帰っておいで」
















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