code 002:
「それじゃあ連休明けにね」
「お土産よろしくな~」
「結弦、おやすみ~」
「ああ、おやすみ」
神池が火を噴きながらもなんとか食べ終えたところで、今日は解散することになった。
北園にお土産を頼みながら、女子寮に帰る二人を手を振りながら見送る。
横には同じように手を振る竜崎と、甘すぎると評判の桃ジュースを一息に飲む神池がいる。
「よくそんな甘すぎるものを一気飲みできるな」
「られのふぇいふぁ、られの」
まだ舌が回らないみたいだ。
まあ、普通のラー油じゃなくって、この学園特性の殺人的な辛さを誇る特性ラー油を入れたのはやりすぎだったとは思う。後悔はしてないがな。
「それじゃ、俺らも帰るか」
「そうだな、俺も明日朝早いし」
竜崎とそんなことを話しながら、俺たちも男子寮へと歩く。
「ちょっと待てコラ~!」
とかなんとか叫びながら、神池も後ろを走ってくる。
「おっ。やっと声が戻ったのか?」
「まったく。結弦のおかげでひどい目にあったぜ」
「俺は何もしてないぞ。お前のコップに殺人ラー油を混ぜただけだ」
「それだそれっ!それのおかげで死にかけたんだよっ!」
「あ~~。悪い、さすがに殺人ラー油はやばかったな」
「分かればいいけどよ」
「今度はタバスコを用意しとく」
「一緒だっ!!!」
まったく、うるさいな。
仕方ないから次からは普通のラー油にしといてやろう。
そんなバカ話をしていると、いつの間にか男子寮の入り口に。
「それじゃ、また連休明けにな」
「おう」
「休み明けは覚えてろよ!」
なんか悪役みたいな捨て台詞を吐いてる人が一人いるんですが。
まあ、いいか。
部屋の場所が違う俺は、寮に入ってすぐ二人と別れた。
「さてと、ニュースでも眺めるか」
一人でそんなことを呟きながら部屋に入って、パソコンの電源を入れる。
数秒立って真っ黒な画面に白い明かりが灯る。
「何か面白そうな記事はないかなっと」
『あのプログラム』ができてから、皆ちょくちょくプログラムを動かしてるみたいだけど、俺も暇つぶしに作ってみたのがこれだ。
名づけるなら『ニュース収集プログラム』。
yahooニュースやMSNニュースみたいなサイトを指定しておいて、興味のある単語を登録しておく。
俺の場合だと『Windows』、『Linux』、『セキュリティー』、その他多数。
それでプログラムを走らせておく。
そうすると、定期的にそのサイトを見て回って、登録した単語が見つかったらアドレスをデータベースに追加する。
そうやって集めたニュース記事を、俺は今眺めてるわけだ。