表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/14

第8のヒロイン 『鏡 美織』 第1章 「揺れる登校の朝」

金髪の謎の男「さて、と。」

金髪の謎の男は、パソコンの前に座る、そしてつぶやいた。

金髪の謎の男「どうも、綾瀬まどかの挙動が不安定だ。バグの可能性もあるな。」

パソコンを起動し確認する。

金髪の謎の男「...............ふむ。コード自体に異常はない。これは、交換が必要かもしれんな。」

男が声を張り上げる。

金髪の謎の男「綾瀬まどか‼️」

すると、奥からもう一人の綾瀬まどかが現れる。

金髪の謎の男「ふふふっ。私のプログラムは完璧。コードさえあればヒロインはいくらでも再生可能。」

無言のまま立つもう一人のまどか。

金髪の謎の男「現在稼働中の「綾瀬まどか」に感情的干渉の兆候が見られた。彼女には転校してもらおう。別のプレーヤーもとで活動してもらう。」

綾瀬まどか「了解しました。」

その返答とともに綾瀬まどかは、その場から消える。

金髪の謎の男「ふふふっ。これで完璧だ。新しい綾瀬まどかには、恋太郎の記憶もない。ただの最高傑作としての人形だ!!」

男は、ソファに腰を落とし、コーヒーカップに残った一口を口にすする。

 金髪の謎の男「早川結菜には、恋太郎の「初恋の人の記憶」をインストール済み。やがて彼は彼女に惹かれ、。爆弾にも、翻弄され、綾瀬まどかのことなど忘れるだろう。」

コーヒーを飲み干し、男はにやりと笑う。

 金髪の謎の男「さあ。恋太郎と綾瀬まどかの運命は...............いかに...............」

 朝の通学路、恋太郎は、早川佳人とその姉、早川結菜と登校していた。

早川結菜「ふふっ。やっぱり可愛いわね。恋太郎くん。」

 耳元でささやかれたその声に、恋太郎の鼓動が高鳴る。

(あ、あれ?この人、なんでこんなに色気が...............)

結菜のミニスカートから伸びるスラリとした脚。歩くたびに揺れる長い髪。そして不意に髪をかき上げる仕草ーーー

 すべてが恋太郎の理性を試していた。

 学校の門をくぐろうとしたその時、

大人びた落ち着いた声に、思わず振り返る。結菜はしゃがみ込むようにして、顔を近づけ、恋太郎のネクタイに手を添えた。

結菜「ネクタイが曲がってるわ。ちゃんと身だしなみ整えないとね。」

目の前に、迫るつややかな顔。整った指先が胴元を直す様子に、恋太郎は一瞬固まった。

恋太郎「...........あ。ありがとうございます。」

かろうじて声を出すと結菜はくすっと笑った。

結菜「恋太郎くんってホント可愛い」

チャイムが鳴り。結菜は手を振って去っていく。

その姿を呆然と見送る恋太郎。

佳人「お前。姉貴にメロメロじゃねーか。」

隣で佳人がにやけながら肘で小突く

恋太郎「そ。そんなことないって!」

そう言い返しながらも、恋太郎の背中は結菜の背中をおっていた。


教室に入ると綾瀬まどかがすでに席についていた。

恋太郎「おはよう。綾瀬さん」

綾瀬まどか「おはよう。」

その返事に違和感を感じた。

恋太郎(...............なんか、声が冷たい?表情も硬い。..........)

そんな恋太郎の胸騒ぎをよそに、黒板の前に立った男子が、チョークを握っていた。

 「みんな注目ーっ。相合傘書いちゃいまーす。」

黒板にでかでかと書かれる相合傘、そこに書かれた名前は、

『綾瀬まどか』と『恋太郎』

 「この二人、付き合ってるんだってさー!」

教室が騒然となる。

「えーマジ!?」「綾瀬さんって、あの綾瀬さんだよね。」

「朝陽さん傷ついてたよ。」「美樹川さんも泣いてたって」

「空村さんも。、部活きたくないっていってたよ。」

ーーー爆弾が、爆発したのだった。

恋太郎「相合傘上等だ!!俺は綾瀬まどかが好きだ!

それの何が悪い‼️」

怒りのあまり、机を叩き、恋太郎は、叫んだ。

だが、その直後、

綾瀬まどか「私はこの人が誰だか知りません。好きでもありません。誤解を招いてしまって、申し訳ありません。」

恋太郎「嘘だ!...............」

恋太郎の心に、冷たい風が、吹き抜けた。

ついこの間まで、観覧車の中で、誓い合ったはずの彼女が、まるで他人のような目で自分を見ている。

「なんだよあいつ。」「調子乗りすぎじゃね。」「不釣り合いなんだよ。」

周囲の声が、突き刺さる中、

教壇にあらわれた教師が口を開いた。

学校の先生「はいはいー。席につこうねー。授業はじめるよー。」

だが恋太郎の、心と耳は、何も聞こえていなかった。

 ーーその頃、誰も知らない場所で、綾瀬まどかの運命は動き出していた。

 

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ