第3のヒロイン 『綾瀬まどか』
僕は恋太郎は中学2年生。
愛之助「恋愛により、男は成長する。人生において恋することと愛することは人間が人間らしくなる大事な出来事の一つ。だから、恋太郎という名前をつけたんだ。」
恋太郎の名前の由来だ。7歳の時に言われた。
名前のせいもあり、恋に触れるのも早かった。
初めての初恋は、5歳の時、名前は唯ちゃん。
恋太郎「可愛い・・・・」
一目惚れだった・・・。ふとした仕草、他の女の子と話して笑う笑顔気づけば見入っていた。ショートカットでボーイッシュだが、スカートを履き、いつも女子らしい格好はしている。
しかし、恋太郎をかき乱す出来事が起きる、おままごとごっこをやることになった。
唯ちゃん「私はケーキ屋さんでーす。いらっしゃあませー。」
自然と恋太郎は入ってみた。
恋太郎「ケーキほしい。なにがあるのー?」
すると、横で日向ちゃんが、八百屋さんを開店させた。
日向「いらっしゃいませー。野菜はいかがですかー?」
日向ちゃんは、ロングヘアー、しっとりした見た目は大人な女子に見える、保育園でも先生の真似などをし、自分は子供じゃないふりをするが、失敗をするおませな女の子。
日向「先生?定番のデートスポットってどこ?」
5歳にして聞いてくる。とても、5歳児とは思えない。
恋太郎には日向ちゃんにも、興味があった。それは、恋なのかなんなのかは、わからない。
その2人が、同時に店を開いた。
恋太郎は、2人とも傷つけたくない。どちらの店に入ったら良いかわからない。悩んだ。すると2人から言われた。
唯「恋太郎君こっちには、いいショートケーキあるよ。」
日向「こっちには、とれたての人参があるわよ・・・ふふふ。」
こっちは、活発で、元気なのが魅力が女の子、こっちは大人の魅力を放つ女性的なところがある女の子どちらの店も決め難い。決めかねていた。すると言われた。
唯「恋太郎くん。いつまで、悩んでるの?きめられない。女の子嫌い!!」
日向「・・・・」
他の男子の勝二という活発な男の子が割って入ってきた。
勝二「ケーキ下さい‼︎俺ショートケーキ大好き‼︎」
唯「ありがとうございます。はい。20円でーす。」
突然勝二と唯はいい関係になった。日向の店も終了となり、別の男の子と遊び出した。
保育園に愛之助が迎えに来た。愛之助は保育士に挨拶をし、恋太郎の変な様子に気づき話しかけた。
愛之助「どうかしたか?」
恋太郎「・・・・」
恋太郎はうまく答えられない。5歳児には振られて悔しい気持ちを、自覚することもできなければ、表現することも難しい。愛之助は優しく言った。
愛之助「いいにくいこともあるよなぁ。まぁー。いいたくなったら言えばいいさ。」
愛之助は、親子自転車に恋太郎を乗せ、自宅まで走らせた。
そんなことを思い出してから恋太郎は恋に臆病になった。それから恋愛からは縁遠い
いつも中学校の授業が終わった。
恋太郎は自宅に帰り、愛之助の部屋に入る。ふと、テレビ台の下の引き出しから埃をかぶった。
一つのゲームソフトが目に入る。「ときめきクロニクル」そして、グレーのゲーム機、指で押すとCDが入るようだ。恋太郎は父に聞く?
恋太郎「これ何?」
愛之助「ああ。これは、ゲーム機だ。父さんが大好きだったゲームだよ。まだあったのか。頑張って主人公を育てると、最後女の子が木の下で告白してくんだよなぁ。これでお父さんもよく恋愛はなんだか学ばされたよ。」
恋太郎はなぜか興味にそそられる。無性にやってみたくなった。現実の世界でも優柔不断でうまくいかなかった。じゃあ。これで恋を学べば、うまくいくかもしれない。
恋太郎「これ?どうやるの?」
愛之助「ここを指で触るとここが開いて・・・」
愛之助がゲーム機を操作すると画面が映った。
愛之助「ずいぶん古いゲームだがまだ出来るんだな・・・」
テレビ画面に可愛い女の子が映る。
愛之助「この娘の名前は綾瀬まどか。この娘に振り向いてもらうように勉学とか、スポーツとかを頑張って勧めるゲームだ面白そうだろ?」
恋太郎は父親の説明が耳に入らない。
目の前の綾瀬まどかに夢中だ。
綾瀬まどか「愛之助くん・・・」
それと同時にテレビ画面と、ゲーム機が光に包まれる。テレビ画面の光は大きく恋太郎を包んだ。
恋太郎「えっ・・・えっ・・・」
光がテレビの方に恋太郎を引っ張る。
綾瀬まどか「こっちに来て、私と恋愛勉強しましょ。」
恋太郎「えっ。なんそ・・・えええーっ。」
テレビの中に入っていった。
愛之助「こいたろー!!」
父は必死に息子の手を掴んだが、恋太郎は、テレビに吸い込まれた。
恋太郎「おとーさーーーん。」
父の抵抗は虚しく、恋太郎は、テレビに吸い込まれた。いきなり、地面に叩きつけられる。
恋太郎「いたたっ。・・・あれ?」
自分を見渡す、学生服を着ていた。
恋太郎「何。これ?・・・」
自分はどうも高校生になったようだ。
綾瀬まどか「おはよう。恋太郎くん。」
うわあっ。びっくりした!?恋太郎‼︎
そこには、さっきまでゲームで映し出された女の子が隣にいた。
綾瀬まどか「ふふふ。お隣さんでいつも会ってたのになんでそんなにびっくりしているの?」
お隣?高校生?綾瀬まどか?色々な情報に混乱する恋太郎・・・これは、
恋太郎(僕・・・ゲームの中に入ってる・・・)
綾瀬まどか「これから入学式よ。いきましょ。恋太郎くん。」
綾瀬まどかは、恋太郎の手を引っ張る。
恋太郎の恋愛シュミレーションゲームが始まった。
こちらはーー現実世界。
愛之助の部屋。
モニターのは『ときめきクロニクル』の世界が映し出され、
その中で恋太郎が一歩一歩、歩みを進めていた。
愛之助は黙って、それを見守っていた。
そんな時ーー
部屋の扉が、静かに開く
入ってきたのはーー
金髪の謎の男。
謎の金髪の男「ういっす。久しぶりだな。」
軽いノリで手を上げ、
モニターを覗き込む
謎の金髪男「...........おお。ときクロじゃん。懐かしいな。俺たち2人も.........」
愛之助「ああ...............ゲームが始まったあの日。光に包まれて........」
二人はふと視線を外へ向けた。
まるで遠い日の記憶を追うように。
そして静かにーー
謎の金髪男「はじまったな・・・」
愛之助「ああ。」
謎の金髪男は、スマホを取り出した。
そこには、一つのアプリがインストールされていた。
アプリ名はーー名前は「まどか」
謎の金髪男「まどか。現在の恋太郎のパラメータを教えてくれ。」
AIまどか「了解しました。」
即座にスマホに数値が表示される。
運動、理系、文系ーー
並んだパラメーターを二人は見つめる。
謎の金髪男「これが恋太郎か...............
この数値では、綾瀬まどかと下校どころか、デートなんて夢のまた夢だな...............。」
愛之助「...............そうだな。
これじゃあ、元気娘との下校が精一杯。」
謎の金髪男は軽く笑った。
謎の金髪男「ああ。あの娘か・・・」
愛之助は、ゆっくりと窓際まで歩く、
そしてよるの街を見下ろしながら、そっとつぶやいた。
愛之助「がんばれ...............恋太郎!!お前ならこのゲームの「システム」をかえられるはずだ!!」
謎の金髪男があぐらをかいて、ソファに座り頬杖をつきながら、画面をじっと見つめる。
謎の金髪男「さぁ...............どうだろうなぁ。そろそろ「運命」を変える、「出会い」が来る頃だ。ーー
あの娘との...............」
部屋に、静かに熱を帯びた空気が広がっていた。
そして、二人は黙って、
画面の中で、紡がれていく物語を見守り続けたーー