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I Don't Like Mondays too.

作者: 黒楓

お馴染みの“月曜真っ黒シリーズ”ですが……



投稿するか否か迷いました(-_-;)





 老婆心(因みにこの言葉は……人生の終焉に至った“皺ひとつない”私にも相応しく思えるのだが)ながら子供や孫を持つ“大人”に申し上げる。


いつまでも“青春の思い出”なる物を握り締めていてはいけない!!


 現に私は、オヤジかジジイの持ち物だったカセットテープに目が止まり、そのインデックスの曲名が発端で……1979年にブームタウン・ラッツが歌った“ブレンダ”に興味を持ってしまったのだから。


この『バタフライエフェクト』級の事に

私は“可笑しさ”が抑えられない。


そんな私は何者なのか?


もちろん『JFK』の様な飛び抜けた存在ではない!


おかっぱ頭で化粧っ気などリップの色さえ無い……

さえないJKだ。


 私が()()()()()()()高校では“さえないJK”は異端で……私はそこで目立たない“路傍の石”になる事が出来なかった。


 1学期までは“犠牲のヤギ”が他に居て……私はイジメ、ハブる側となって“その子”をネチネチと甚振って(いたぶって)いた。


それは“カーストの圧力”がさせる事!!

確かにそうだけど……


 “その子”をネチネチと甚振っている自分は、実は“溜飲を下げて”いて……その構図が“カースト制度”そのものを維持する柱となっている事を……

2学期になって立場が逆転し、“その子”から倍返しでネチネチやられるようになって思い知らされた。


 最初の頃は、金曜日の終礼の後の“独り掃除”を……最低2度のやり直しの後で“その子”からOKを貰ってようやく帰途に就き、電車に揺られながら『二日は学校から離れられる』とホッ!としていた。


 でも最近は、電車に揺られながら早くも月曜の事を考えてしまい

頭の中に『嫌だなあ!!行きたくないなあ!!』って言葉が溢れ返り、

その凄まじい重さを……吊革に縋り、大きなため息にのせて幾分かは吐き出していた。


そんなだから……

土、日も私は“学校”から解放されず

部屋の中でくすんだ時間を過ごした。


 日曜は……朝、目が覚めた時から『明日の今頃は……』との言葉とセットになってカウントダウンが始まる……


そんな中で


古いカセットテープのインデックスから拾い上げた言葉……


『I Don't Like Mondays』!!

『hate』じゃなく、『Don't Like』なんだ!!


私がその言葉に“cool”を感じた時、私の命もカウントダウンを始めたのだと思う。



私は今、世界で一番私が嫌い!!


“あの子”や“一軍のヤツら”より!!


ああ、なんで今日が日曜なんだろう!!

なんで夜なんだろう!!


あと8時間13分後には……

酷い酷い一日を始める為に

私は校門の前に居る。


もし私が

“ブレンダ”の様にライフルを持っていたら

まったく違う気持ちで校門の前に立てるだろうに……


でも、私は“ブレンダ”とは違う!!


私だったら逃げまどうアイツらを愉快に撃ち殺した後、潔く裁きを受ける!!


でもここは日本、JKにはライフル取得は不可能だ!


 調べてみるとライフル銃の所持には、原則として散弾銃を10年以上所持することが必要で、そもそも銃の所持可能年齢は満20歳から!!……計算だけでもあと15年近くかかる……


私の夢想はまったくの絵空事!!


 ああ!! 月曜は決まって……“誰か”が校舎の裏で“解剖”されるから……

“あの子”は朝から私の事を見張り続けるのだろう……

でないと自分が“解剖”されるから

でも“あの子”……今さら何、あくせくしてるんだろう?……

どうせもう、何十枚も写真に撮られているのに……


この様に……

“酷い写真”を撮られる事を

「もうどうでもいい」と思っている自分はやっぱり壊れているに違いない……


そうか!!


私は壊れているんだ!!


「アハハハハハ!!」


涙が出るほど大声で笑ったら名案が浮かんだ!!



『私自身がライフルの弾になればいいんだ!!』


アイツらが“解剖”をやってる渦中に飛び降りれば

私自身は壊せるし、アイツらだって阿鼻叫喚だろう!!


フフフフ!!

間違いなくニュースになる!!


ネットに実況中継すれば揉み消される事はないだろう!!


早速、SNSにアカウントを作って予告を出そう!!

『一世一代のパフォーマンス』って!!


嬉々としてこれらの作業を行った私は本当に久しぶりにぐっすりと眠った。



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 目が覚めたら気持ちも醒める事が懸念されたが、まったくそんな事は無く、私は鼻歌を唄いながらいそいそと用意をする。


 家は定刻通りに出たが真っ直ぐ学校へは行かずホームセンターの開店を待って大急ぎで必要な物を調達した。


必要な物??


 その内容については明かせないが、私が“弾”となった時……ちょうど散弾の弾やクラスター爆弾みたいに、少しでも多くの被害を周りに及ぼせる様にと、調べ考え抜いた悪魔の知恵の結晶だ!


 そして私は学校の裏手の金網をジャージ姿でよじ登って授業中の校舎へ忍び込み、屋上へ向かった。

そして屋上へ出る鉄の扉の内側でズシリと重い“装具”を素肌に身に着け、スマホの実況でその姿を披露した。


くだらなくも食い付く()()()()()()()が拡散に努めてくれたおかげでアクセス数はうなぎ上り!!


時は来た!!


「さあ!! 皆さん! 下の有様をご覧ください!! スマホの望遠には限界があり申し訳ございませんが“女子達の悪趣味な撮影会”の様子がお分かりいただけてますか?


で、今、私がBGMで流しているのはブームタウン・ラッツの代表曲です!!


あ、ググってる暇はございませんよ!


今からが真のパフォーマンスです!!」


絶叫しながらダイブした私はアイツらに向かう弾となり

恐らく予想通りの“効果”をもたらすだろう!!






                        終わり


で、結局、投稿しました<m(__)m>





ご感想、レビュー、ブクマ、ご評価、いいね 切に切にお待ちしています!!




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― 新着の感想 ―
[良い点]  どこかヤケっぱちでしかない、そしてどうしようもなく明るい一人称のまま自己破壊に向かっていく描写がとても若い学生らしく。  私はこの作品を公開してくださって、こうして読めたことを嬉しく思い…
[一言] きゃああー(ノД`)・゜・。
[良い点] 嗚呼…… 伝わってくるものはありました。かなり。
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