生きてるうちに貢ぎたい
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
コメディーだと思います……。多分!!
足繁く通って貢ぐから、末永く続いて欲しいなぁ。
せめて私が生きてるうちは。
「蕎麦と天丼が食べたいのね」
「突然始まったな」
電車の中、帰り道。隣を座る彼女はせっせと両手でスマホを弄る。弄っている時は子供のような笑顔で、頭上に生えたアホ毛を揺らめかしてご機嫌だった。チラリと横目で見ると、ショート動画。出て来たのは蕎麦と天丼。成程、飯テロ漫画と……。
「君も見る? 食べたくなるよ。絶対」
そんな話をしながら電車を降りた。目的地は勿論、蕎麦と天丼。
「んー……」
彼女は眉間に皺を寄せて、目の前の張り紙と対峙する。そこに書かれて居たのは『閉店のお知らせ』。丁度今日から約一週間前。タイミングが悪いな。
さぞ落ち込んでいるのだろうと思って顔を覗き込むと、彼女はただ真顔で張り紙と対峙していた。気に病んではいなさそう……。ただ当たり前だが喜んでもいなかった。
笑ってない時の彼女の頬は、何となくもちもちしている。故に悪戯心が働いて、頬を突っつく。
「そう悄げるなよ」
「そうだね。気にして無いよ」
女は少しだけ口角を上げて、此方を安心させる様に返した。どうやら予備の店を考えていたらしく、次の店を訪れる事になった。
来たのは全く異なる油そばの店。同じ麺類ではあるが全く違う。サラリとした喉越し麺も、サクサクの天ぷらもない。乗っているのはこってりとした濃口タレと、肉厚チャーシュー。
それでも大して気を悪くした様子もなく、口に啜り込んでいる。
「変わっちゃうんだよね。次来た時はって思ってるうちに。んー……もっといっぱい貢げば良かったかなぁ……。そうしたら、続けてくれたかなぁ……。んー……でも最初に来た時には二週間後には閉店です。って張り紙だったからなー。どうしようもないか。他でもっと貢ごう」
「なんだ知ってたのか」
道理で覚悟決まった様に動じない、保険の店を考えていた訳だ。知っていたのなら当然の事。
俺も麺を箸で一掴みすると、そのまま口いっぱいに頬張った。濃口の濃厚なタレがガツンと刺激を与えてくる。
「サービス続けてくれているうちは、何度か通うつもりだから、この後願掛けしに行くよ。『お気にの店が私が生きてるうちは潰れませんように……!! 通ういますから!! 貢ぎますから!!』って」
「そうだな。やるだけやったら神頼みだな」
「生きてるうちにいっぱい食べたい」
今から数年前の話。
神社のお膝元に蕎麦屋さんのチェーン店があったんですよ。
天ぷら揚げたてで出してくれる。
でも行ったの閉店二週間前で、もう食べられないんだなーと。
蕎麦ツルツルで、満足を超えたその先まで海老天付けてくれたんですけど。
そのお店限定のメニューだったみたいで、今ではお目に掛からないんですよね。うーん……辛いん( ¯−¯ )
お気に入りのスパゲティ屋さんも、看板出てないと反動で突撃してしまうんですよね。
辞めないで!! 生きてるうちは!! と思って。
ちなみにガーリックフランスは味が変わってました。
店主さん色々試行錯誤して、変えたのかなーって思ったり。
前よりバターのじわっと感は控え目、カリカリ増してました。
カロリーは正義理論で生きているので、前のが少し恋しい(・ω・`) 両方出しませんか?
※今のも好き(*´▽`)