戦え!これが我らのAge of Heroes その2
『マージナルヒーローズシナリオ集 マージナルストーリーズ』収録のシナリオを使用しております。
ネタバレ等ご注意下さい。
ゲームセンターに着くと、男の子がカードと会話しているような光景に出くわす。梶浦が
「西野くん?」
と声をかけると、
「お、お兄さん!?ボ、ボクは……」
と驚愕の声をあげる。するとカードから声が響く。
「コウイチロウ、逃げるぞ!ヒーローがキミを狙ってきたのだ!ポーンナインども、時間を稼げ!!」
というや否や高速で離脱していく。
ポーンナイン達は暴れ散らかして破壊活動を行い始める。西野弟を追いたかったが目の前の暴虐を見逃すわけにも行かない。少しダメージを負いながらも即刻鎮圧する。
西野弟を探していると、ロクモンが「あっ」と声をあげる。その視線の先には中学生くらいの女の子がいた。
「あっ、ロクモンさん。この間ヴィランに襲われていた時はありがとうございました」
「いえいえ、ヒーローとして当然のことをしたまでですよ。ところで西野浩一郎くんを見ていませんか?」
「浩一郎……弟ですか?さっき英雄学園に走って行くのを見ました。声をかけたけれど無視されて……」
そこまで聞くと、真田はハンドサインでウチらに先に行くよう促す。西野姉とは面識がないので正直助かる。ウチと梶浦は頷くと急いで英雄学園へと向かうのだった。
途中で追い付いてきた真田と共に英雄学園に着くと、校庭の隅で西野弟がカードを握りしめながら立っていた。こちらに気付くと怯えた表情で
「ボ、ボクをいじめにきたの……!?」
「違うっすよ!」
「もう、放っておいてよ……ボクには、ナイトグレイブしかいないんだよ」
「そんな禍々しいのが拠り所とかおかしいんじゃない?」
「お姉さんも心配していましたよ」
「俺が相談に乗るっすよ、何でも話してほしいっす」
そう三人で諭すと、西野弟はその場へ崩れ落ちる。
「ボクは、力じゃなく、友達が、欲しかったんだ……」
その手からこぼれ落ちたカードから黒い霧が溢れだし、ナイトグレイブが姿を現す。ポーンナインを率いたナイトグレイブは、そのグレイブの鋒をウチらへと突き立てる。
「おのれ、あと一歩で完全体となれたものを……よくも邪魔してくれたな!まずはお前達を始末し、コウイチロウの心をよりネガティブな感情で押し潰してくれる!」
「そんなことさせないっすよ!」
「今までの私と思うな。本体たるこの私は比べ物にならないほど強力だぞ!」
「それでも逃げるわけにはいかないですからね!」
「梶浦!真田!行くよ」
「「「『変身!』」」」