恐怖!アビスエール その1
マージナルヒーローズ収録のシナリオを使用しております。
ネタバレ等ご注意下さい。
街をぶらついていると、派手な破壊音が耳に入る。見ると、若者達が
「テラーのために!」
「全て破壊するんだ!テラーのために!」
と言いながら、多人数で喧嘩しているではないか。まぁウチのいたオオサカでは日常茶飯事だ。所詮一般人、楽々鎮圧する。
頭を切り替えてHAへ向かうと指令を受ける。
「コンビニで強盗が発生した。現在、チリーがその場に居合わせたが、君達も増援に向かって欲しい」
そんなわけで急ぎ現場に向かう。現場ではチリーがサクラと二人で頑張っていた。ウチらもリボルバーとシノビガンで援護する。
結果として、難なく鎮圧する。テラー戦闘員に話を聞こうとすると、どうやら戦闘員スーツを来ただけのオーディナリーのようで、
「俺らはアビスエールが欲しいんだ!ツカレトールをアビスラッシャーさんに渡すとアビスエールをくれるし、アビスエールを飲むと無敵になれるんだ!!テラーのために!すべてはテラーのために!!」
とペラペラと話してくれた。言い訳のつもりなのだろうか。引き渡しを終えると、HAから
「アビスラッシャーという怪人が原因のようだ。至急退治して、事件を解決に導いてほしい」
と追加で指令が下った。
じゃあまずは情報収集からだ。チリー、ロクモンと手分けして情報を探る。ウチの方で分かった情報としては、
・ツカレトール自体からは暴力行為を誘発させるような成分は検出されなかった。
ということだ。他の二人は、
・ツカレトールにテラー因子を付加することでアビスエールが出来上がる。
・オーディナリーが暴走しているのはテラー因子に依るもの。
・アビスラッシャーは豹をモチーフにした怪人で、オーディナリーからテラー因子を吸収することで自らを強化する。
という情報を得たようだ。つまりアビスエールを飲ませなければ万事解決ということだ。……まぁ、中毒というのはそうそう回復できないのだが。
そうやって情報交換をしていると、テレビから
「占部瑠火さんが行方不明となっております。自宅マンションは荒らされており、何らかの事件に巻き込まれたものとして……」
というニュースが流れてくる。すると梶浦の顔色がさっと変わる。何かあったのかと訊くと、行方不明となった占部氏はツカレトールの開発者らしい。これは不味いかもしれない。
そう思った矢先、
「テラーの戦闘員と怪人が大暴れしている」
と通報が入る。急いで現場たる繁華街に向かうと、テラー戦闘員が人々に無理矢理アビスエールを飲ませているじゃないか。
「お前も飲め!テラーのために!」
「や、やめてく……テラーのために!!」
「ははははは!!!テラー因子が俺に流れ込んでくる!流石は首領様のお力だ!!」
さらに戦闘員が縛られてぐったりしている占部氏を連れてくる。ニュースで見た顔写真とも一致する。
するとアビスラッシャーが
「ツカレトールの製法は分かった、お前はもう用済みだ!」
そう言って占部氏を放り投げる。チリーが先回りして受け止める。どうやら怪我は無いみたいだ。
「来たなヒーローども!!この力があれば俺は無敵だ!!捻り潰してくれるわ!!!」
いくらテラーの怪人とはいえテラー因子の吸収し過ぎでアビスラッシャーも暴走しているようだ。力ずくで鎮めてあげようじゃないか。