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僕の君  作者: そよかぜ
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僕の君44

座学が終われば次は実践あるのみ。


魔法は手順を踏めば誰でも扱えるものではない。


いくら座学で魔法を理論的に勉強したとしても

魔法の発動は感覚に頼る割合が多い。


さくらの場合、光魔法を商売としていた為、感覚は十分。

あとは、知識と経験を補い。

やれる事を増やす。

それだけだ。


さくらが光魔法の応用まで習得するのに時間は掛からなかった。


通常2年かかるところをわずか2ヶ月で習得した。

だが、その常識とは逆に歴史や魔法の性質などの座学の習得が全く駄目だった。


それには大きな理由があった。


光魔法の原則・倫理についてだ。

光魔法とは闇を消し去る為、または闇魔法を行使する危険組織を排除する為に存在している。

冒頭の上記の思想を理解できない為に、それ以降の内容を理解できないからである。


さくら

「教授!質問です!なぜ光魔法の存在理由は闇を消し去ることにあるのでしょうか?私には理解できません!」


教授

「だから何度も言っているだろ。世界は元々闇に包まれていた。そこに10人の女神が降臨し、光魔法をもって世界を照らした。つまり、女神がそうしたように、光魔法とは闇を消し去り、世界を照らす為にあるのだ。」


さくら

「私は、光とは悲しんでいる人や、苦しんでいる人を暗闇から見つけ、温めてあげることに存在意味があると思っています!」


教授

「聞き分けがない子だなぁ。もういい!実践ができているなら、好きに解釈すればいいさ!」


さくら

「教授!私はこの学説に疑問があります!」


ガチャ


教授は何も言わずに扉を開け出ていってしまった。


さくらは教授が出ていった扉を見つめていた

さくら(そろそろだわ。ここで学べる事は全て学んだし、魔法も沢山覚えた。ここを出ていくのも近いわね。今夜みなとに相談してみよう。)


……夜……


「みなと。今日も疲れた?」

「あぁ少しな。」

「疲れたって顔に出ているわよ。」

「うるさいなぁ。」

「それでね。みなと。」

「なんだよ。相棒。」

「私、ここを出たいの。」

「あぁ。」

「じゃあ、出てく?」

「あぁ!そうだな!」


……朝……


シオリ

「あれ?どこ行っちゃったんですか?みなとー?今日も仕事行きますよー!」


教授

「おや?うるさい娘は今日はいないのか?」


トマリ

「長官。みなととさくらが夜逃げしました。現在地不明で、現在捜索しています。」


ゆうじ

「え?まさか感づいたかの?みなととか言う男はどうなってもいいが、さくらは必ず生きたまま捕まえるのだ。わしも捜索に参加しようじゃないか。ついでに恩寵者も3人呼んでおけ。」


トマリ

「かしこまりました。」

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