僕の君40
2人はトマリの後に着いていき、食堂や、大浴場、修練場、立ち入り禁止エリア、休憩場などを歩いて回った
トマリ「少しここで、待っていて下さい。」
2人は休憩場の決して安そうではない椅子に腰を掛けた。
サクラ「ねぇ!ミナト。私、ここが少し気に入り始めたわ。見た?あの大浴場。凄く大きくて、泳げそうだったわ。」
ミナト「あぁ、男湯の方も泳げるぐらいに大きかった。」
ミナトは椅子の赤い背もたれに寄りかかって、天井を見上げた。
天井は木枠が数学的なほどびっしりと引き詰められて、整理整頓されているようで気分がいいが、見方によっては気味が悪い。
ミナト「なぁ、サクラ。お前は強くなって何がしたいんだ?」
サクラ「何って?それは勿論、サツキちゃんとシグレちゃんに会って仲直りする為と、仲直りした後、もっと光についての仕事をやってお金を稼いで、一杯遊ぶ為よ?」
サクラは不思議そうにミナトの顔を覗き込んでそう言った。
ミナト「要は、自分が楽しく遊びたい為なんだな?」
サクラ「酷い言い方ね!少しムカつくけど。まぁ、でも結局はそう言うことになるわ」
ミナトは背もたれに預けていた背中を前に乗り出した。
ミナト「そうか。お前らしくて、いいねぇ。」
サクラ「なにカッコつけた言い方してんのよ。気持ち悪い」
そんなことを話していると、トマリともう一人、男性の平均身長ぐらいある背丈の女性が来た。
音がなかったので近づいてから気付いたが、ヒールを履いている。
トマリ「お待たせしました。こちらミナトさんの教育係のシオリさんです。」
シオリ「シオリです。宜しくお願いします。」
ミナト「宜しくお願いします」
トマリ「はい。ではサクラさんはこちらへ。」
サクラ「はい。じゃあね!ミナト!」
ミナト「あぁ!あまり頑張りすぎるなよ!」
サクラ「うん!」
長い廊へ振り返り、サクラはその場を後にした。
サクラの背中が段々と見えなくなっていく。
この廊下だけ何故か真っ直ぐで長い。そして少しだけ暗くなっている理由をミナトは理解していたが、サクラは気にも止めていなかった。
シオリ「いや〜でもまさか、あなたが戻ってくるなんて思いもしませんでしたよ。だって、脱走者は普通殺されますよ。間違いなく、例外なく。でも今回は特別中の特別。必ず死んでいないと信じていましたが、まさか、あなたが、太陽の末裔と一緒だったなんて。私への当て付けですか?」
しおりはサクラが居なくなると同時にミナトの両手を優しく握り軽快に話し始めた。
ミナト「そうだ。子供の頃、自慢したピンク色のカエルより何百倍、何千倍も凄いのを連れてきたぞ」




