僕の君35
第七夜。紅雨
「大病を煩いしまた。嘘です。元気です。」
さつき「正直者だね」
第八夜。春雨
「記憶が戻ったんですね。おめでとうございます。」
さつき「ありがとう」
第九夜。煙雨
「前置きはいいので本題に入りませんか?」
さつき「煙雨くん世の中、他愛のない会話を大切だよ。」
第十夜。霊雨
「嫌味ですか?」
さつき「ごめんね。配慮がたりなかったね。」
さつき「さあ!じゃあ待てない人も居るみたいだし、早速本題に入ろうか。」
煙雨「よし!」
煙雨は小さくガッツポーズをした。
さつき「私の仮説はやっぱり正しかった!やはり魔法連の奴らは嘘を付いている!全く堪らないね!これで長年の恨みを晴らすことが出来る…」
霧雨「はい!はい!僕が光珠を奪取しました。」
さつき「まぁ、私と協力してだがな。その節はありがとう。そう!光珠が実際に有ったということは、遥か昔世界は光に包まれていたということ!」
糸雨(やべぇ…目が輝いてるさつきちゃんめっちゃかわいい!)
寒雨「あの…それって、やっぱり本当なんですか?」
さつき「本当だよ」
さつきは明るい声でうっとりとした声で答えた。
春雨「それをあのさくらが破壊した。」
白雨「えっ!?それって…嘘でしょ…そんな人間が存在しうるの?」
長いテーブルを挟んだ幹部達はザワザワと騒ぎ始めた。
さつき「静かに。」
さつきの凛として冷たい雨のような声がその場を静めた。
冷たい空気がその場に漂っている。薄く、純粋な冷水が宴会場を支配しているのに酸素量が変化していないのか、それともさつきを除いた全員がエラ呼吸をしているのか全く苦しくない。
それどころか、さっきより呼吸が楽になっている。
そのせいで呼吸の音すら鳴っていない。まさに静寂がこの場を包み込んでいる。
さつき「さて。ではこれからの事を話そうじゃないか。」
急に空気が重くなって呼吸が少し苦しくなった。いや、苦しくなったのではない。正常になったのだ。
さつきは組んでいた足をほどいて立ち上がった。
さつき「ここにいる皆でね」
再び静寂を取り戻した。
そうだ。公闇にとって静寂こそがイエスなのだ。
糸雨(さつきちゃん。かっけぇ!)
さつき「世界に光を取り戻す!その為に世界中に散らばった光珠を発見し、破壊するよ!」
霧雨「やっぱり!あの魔法連のやつらは光珠を独占して世界を牛耳っていたんだ!今思い出してもムカつくぜ!速く殺っちゃおうよ。あのじじい!」
煙雨「霧雨は太陽の代理人に負けたんだよね」
霊雨「へぇー。霧雨が負けるなんて。やっぱり強いんだ魔法連のトップは。私も殺り合ってみたいなぁ。」
さつき「こらこら。それはまた今度だよ!」




