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僕の君  作者: そよかぜ
34/45

僕の君34

暖かい光は初めてだった

街中を照らす街灯、子供が嬉しそうに持つランプ。どの光りも私には冷たく目の奥を触られているような感覚だった。

あれは何だったのだろう?

もう一度だけ、後一目だけでいいから肌であの暖かい光を感じたい。

だけど、私にはやるべき事がある。

それを終えたら、必ず迎えにいくから。それまで待ってて。

ほら今だって聞こえる。あの暗闇から私を求めてる声が。

「寂しい。辛い」

大丈夫。どこにも行かないよ。1人になんかしないから。

「痛い。苦しい」

大丈夫。もう君を傷付る奴何ていないよ。私は君の見方だから。

「怖い…怖いよ…」

大丈夫。怖くない。怖くない。怖くない。怖くない。怖くない。

自分の声はいつしか自分を励ます声に変わっていた



さつきは長いテーブルの先端に座って寝ていた。

テーブルの横には10人の幹部が腰を降ろしている。

彼らの組織名は公闇こうやみ

さつき率いる10人の幹部とそれぞれの幹部を慕う隊員で構成されている

しぐれ「さつきさん。さつきさん」

耳元で透き通るような声が囁いている。

さつき「なんだ…しぐれ。私はもう少し寝ていたいんだ…」

さつきは声のする方へ振り返りしぐれに寝起きの萎んだ声で話した。

しぐれは焦ったような表情で話しだした。

しぐれ「幹部が全員集まりました。」

さつき「あ、あぁそうか。」

さつきは寝起きだからか、生返事だ。

少し苛立っている様子の幹部が声を上げた

「おはようございます。さつき様。幹部10名集めたのはお昼寝を見守る為ではないですよね?」

さつきはニヤリと笑って答えた

さつき「昼寝か。この世界に昼があるのなら、それも可能だね」

声を上げた1人の幹部を除いた9人の幹部が囁くように薄ら笑った。

さつき「さて。久しぶりだな。兄弟達よ。元気にしていたか?」

第一夜。霧雨きりさめ

「はーい!元気でーっす!」

さつき「お前はいい。お前の部隊と一緒に襲撃しただろうが!」

きりさめ「えー!」


第二夜。寒雨かんう

「私も…元気です…」

きりさめ「元気だせよ!かんうちゃん!久しぶりの幹部会だぜぇ!」

霧雨はかんうと無理やり肩を組んだ。

かんう「あうぅ…」

かんうは少し困ったようにオドオドした。


第三夜。白雨はくう

「元気かな?分かんない。多分元気!」


第四夜。糸雨しう

「久しぶりです。さつきさん!お会いしたかったです」

(ヤバっ!ちっちゃくなった、さつきちゃん。めっちゃかわいい!頭撫で撫でしたい!)

さつき「そうか。元気そうでよかったよ。糸雨」

糸雨(天使?)


第五夜。喜雨きう

「もう少し休みたかった。」

さつき「お前は相変わらずのサボり症だな…」

「サボってません。休んでるだけです。」


第六夜。翠雨すいう

「眠かったらもう少し寝ててもいいんですよ?」

さつき「悪かったって。」

「話したい事が有るからって10分まえに来てみたら誰も居ないし。5分遅刻してあなたが来たと思ったらすぐ寝るし。社会性どうなってんですか!」

さつき「えへへ。」

「しかもさっきのあれは何ですか!全く反省の色が見えない!」

さつき「久しぶりの会議だったからカッコつけたかっただけだよー。許して!お願い。」

さつきは翠雨に対して素早くお辞儀をして、両手を揃えた。

翠雨すいう「まぁ…久しぶりの会議で、調子が出なかったのでしょう。」

さつき「ありがとう。翠雨はいつも正しいよ。」

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