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僕の君  作者: そよかぜ
32/45

僕の君32

さくらはキョトンとした顔でゆうじをただ見つめていた。

その目は生まれたての赤子のようにピュアだ。

ゆうじは声色を全く変えずに話しを続けた

ゆうじ「君は私がテラジック受付けをやっていた時に私に光魔法を見せただろう。お金がないから光で払うと言って。」

さくら「そうか!そのとき!…何かあったの?…」

みなと「おい。考えてから物を言えよ」

さくらは後頭部を擦りながら笑った

さくら「えへへー」


ゆうじ「…その時見た。いや感じた君の光は暖かかった。さくらくん。君の光は明るいだけではない。暖かいんだよ。」

さくら「それがどうしたの?」

ゆうじ「光を出してごらん」

さくらは掌を上に向け静かに光魔法を行使した。

丸い光が3人の顔を照らした。


ゆうじ「今度は私の光を付けよう。」

ゆうじも同様に掌を上に向け、丸い光の球を作った

みなととさくらは困惑した。

みなと「おっさんの光は暖かくない…何でだ?…」

さくら「お、おじさん。これは一体どういう事なの?」

ゆうじは光魔法を解除した。

さくらの光だけが3人を暖かく照らす。


ゆうじ「さくらくん。これが君が狙われる理由だ。君は太陽の末裔。光の支配者だ。」

さくら「何が?…」

ゆうじ「そうだよな。急にそんな事を言われても何が何だか分からないよな。順を追って説明しよう。」

コンコンコン…


みなと(間の悪いノックだ。こんなベストタイミングでドアをノックするやつはきっと、周りのことなど何一つ考えない自分勝手なやつだ)

出来れば今の話しを続けたい3人は居留守を使えないだろうかと暗黙の了解で沈黙を守っていた。

コンコンコン……


またしてもノックだ。どうやら居留守は使えないらしい。

さくらが椅子から立ったとき、みなとがそれよりも早く立ち上がった。

みなと「いい。俺が出よう。」

コンコンコン……

みなと「はーい!どちら様ですか?」

みなとはドアに向かいながら大声でノックの主に呼び掛けた。

だが、その僅かな時間に三回もノックしたせっかちな主からは何も返答がない。

みなとはドアを蹴破って挨拶した。

みなと「こっちは脳震盪で気持ち悪い中、訳のわからんおっさんに訳のわからん話しを聞かされてるんだ!どちら様ですか!」

ゆうじ「えっ」

ドアの下敷きになっていたのはこの街を統括している町長「まえな」だった。

さくら「ドアを壊すな!バカ野郎!」

さくらはみなとに走っていき、お得意のドロップキックを喰らわせた。体重と助走の勢いがのった、スペシャルな威力だ。

飛ばされた体重68キロのみなとが更に町長にダメージを与えた

町長まえな「さすがわ、お強い…」

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