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僕の君  作者: そよかぜ
28/45

僕の君28

お爺さん「また会ったね。お嬢ちゃん」

さくら「テラジックで受付をしていたお爺さんだ!」

少年「何言ってやがる!こんなのが依頼所にいたら受付け何ていらないだろう…」


管制塔 感知外

警報が鳴り響くスターリップの街をさつきは薄暗い所から眺めていた。

薄暗く、冷たい風がさつきの髪を揺らしている。

さつき(この魔力、不味いな…)

(それにしても久しぶりじゃないか。)

「太陽の代理人」


スターリップ街中

お爺さん「まずは、そのお嬢ちゃんを降ろしたまえよ。」

少年は圧倒的な存在を前にそれでもさくらを離さなかった。

その姿を見たお爺さんは諭すように言った。

お爺さん「分かっているはずだ。君では相手にならない。」

少年「こいつは離さない!絶対に!」

さくら「何で!?」

さくらは驚いて、食いぎみに言った。

さくら「何で私を狙ってんだ!この変態!どこ触ってんだ!」

少年「うるさい!お前は黙ってろ!ブッ!」

目を合わせて怒鳴りあっている二人の内、1人が目にも止まらない速さで吹き飛ばされた。そのあと、さくらは抱えられていた姿勢のまま地面に着地した。

さくら「へっ…?」

さくらは唖然としている。

周りをキョロキョロ見渡していると、建物のコンクリートの壁が少し凹み、その近くに少年が横たわっている。

お爺さん「大丈夫だ。死にはしない。」

さっきまで怒鳴っていた少年は沈黙した。

宙に浮いていたお爺さんは、さくらの元へふわりと着地した。

お爺さん「怪我はないかい?」

さくら「大丈夫…あれ、お爺ちゃんがやったの?…」

さくらは少年の方を指さして言った。

お爺さん「あぁ、ちょっとお仕置きしてやっただけじゃよ。」

お爺さんはフォッフォッフォと独特の笑い声を上げた。

少年が横たわっている所から石が転がり落ちるような音がした。

少年「道理でな…軽かったわけだぜ。」

少年は意識を取り戻し、立ち上がった。

その時、明るい街を覆い尽くすように、暗闇が広がった。

まるでスイカをビニール袋で包むかのように。

そのビニールの持ち手にはさつきがいた。

真っ黒な物質が手から不等号のような形で出ている。

さつき「久しぶりだな。太陽の代理人。ゆうじ」

さつきの声がスターリップを覆う暗闇から響いた。

ゆうじ「ここまで魔力を回復していたか。闇の支配者。さつき。やはりこの娘が狙いだろうが、そうはさせんよ。」

ゆうじの魔力がさらに膨れ上がった。

クルクルと不規則に回っていた輪が、横並びになり、ゆうじを中心に回り始めた。

その時、少年にのみさつきは声を飛ばした。

さつき「きりさめ!早く!戻って!」

きりさめ(少年)は暗闇の中に皇后しく輝くゆうじの姿を呆然と眺めていたが、ハッとして立ち上がり、全速力でその場から退却した。

ゆうじ「お嬢ちゃん。よく見ておれ、これが魔法というものだ」

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