僕の君27
みなと「誰だ。お前…」
少年「こっちでは有名ですよ~みなとさん。」
みなと「こっちは知らねぇよ。」
みなとは足を大きく開き、腰を低くして臨戦体勢に入った。
少年「そんなに構えないで下さいよ。あなたには用が無いんです。」
みなと「じゃあ帰ってくれないか?今からディナーなんだ。」
さくら「そ、そうだ!あなたも一緒に食べない?」
さくらがまたバグっている。アクシデントにあうといつもこうだ。
少年「さくらちゃんホントに優しいんだね。」
さくらがそう言うと少年は大笑いした。
みなと「消えッ!」
一瞬でみなとの眼前から少年が消えて、目の前が真っ黒になった。
少年「タッチ!」
少年はみなとの顔面を手で覆った。みなとの視界を奪ったのは少年が黒色の手袋だった。
そのままみなとは後ろの壁へ吹き飛ばされて段ボールの下敷きになってしまった。
さくら「みなと!な、何なのよ!あんたぁ!!」
少年は小さい顔に不相応なほど大きな笑顔で笑っている
少年「邪魔者は伸した!僕と一緒にディナーにしましょう。」
さくら「バカにしてんのか!」
さくらは光魔法を展開した。幾つも並んだマンションの窓の一室から眩しい光が放たれている。
少年「眩しい!もう光消して下さい。」
気付いた頃には少年の腕の中に捕まっていた。
さくら「離せ!」
さくらは捕まれた事に気づくと足をジタバタして脱出しようとした。
少年「すみせん。だけど、さつき様に頼まれているので。」
さくら「えっ!?さつきを知ってるの!?」
少年「説明してる暇はありません。口は閉じてて下さい。舌を噛みます。」
少年「失礼しました~」
少年は段ボールの方へ一礼するとまた一瞬で消え、割った窓ガラスから街の外へ脱出を開始した。
「嫌がってるじゃないか。離してあげなさい。」
少年は横から聞こえてくる声に驚いた。
高速移動中の自分に着いてくるだけでなく、話しかけられる。その余裕があるのに信じられなかった為である。
少年「何者だ!?おっさん!」
年配のお爺さんは顎をかじりながら話した。
お爺さん「人の話は足を止めて聞くものだよ。」
少年は一気に膨れ上がる魔力に恐怖を感じ足を止めた
お爺さんの体を中心に幾つもの光の輪が回転し始めた。それらの光の輪は不規則に縦、斜め、横と回転の軌道を変えている。
少年「何者なんだ。…」
さくら「受付けのおっちゃん!?」
少年「はっ!?」
お爺さん「また会ったね。お嬢ちゃん」




