僕の君26
街を明るく照らす光が四方八方へと飛んでいる。
その光が闇と交わる所に黒いマントを被った者達がスターリップを眺めている。重苦しい雰囲気が漂い、そこだけゆっくりと時間が流れているようだ。
さつき「では、始めろ」
スターリップに来てあれから1ヶ月が経った。
ここでは光を必要とする人はそうそう居ないから、ここを本拠地にして、テラジックで依頼を受けて生活している。
ここは本当に毎日賑やかで色んな店があって無いものはない、そんな街並みだ。
さくらも依頼を達成して感謝されるのが嬉しいらしく、どんどん依頼を受けている。元気を取り戻したようだ。
さくら「ただいまぁー!今日も依頼達成だよ。見てこれ!街灯直してあげたらお婆さんに貰ったんだ。若いからいっぱい食べなって!」
みなと「お!旨そうなパンだな。俺も今日お礼に肉を貰ったんだ。立派だろ?」
スターリップ。過去、光魔法を放つ武器の開発、生産に優れた。
武器の開発、生産が不要になると、その技術力の高さから豊かな街を創造した。
その豊かさを守るため、光魔法によって異形や危険な侵入者など検知、撃退をしている。
警備システムは街を囲むように円形に3つのエリアに分けられている。
中心に近くなればなるほど、その警備は厳重になっていく。
そもそも異形は光が天敵である為、わざわざ近寄らない。
よってこの3つのエリアは対人間または、明るさをものともしない強大な異形のために設計されている。
今のいままで街への侵入を許したことは一度もない。
同刻警備システム管理局
管制塔「エリア1暗闇の侵入を検知しました!正体不明!」
司令「エリア1での光魔法をレベル6にして暗闇をあぶり出せ。兵を向かわせて正体を突き止めろ。」
街の外では異常が起こっていた
だが、厳重な警備によって守られた街で暮らす人々は今日も平和な日々を過ごしていた
さくら「うまそぅ…」
みなと「涎を垂らすな…」
警備システム管理局
管制塔「エリア1を突破!」
司令「なんだと!?」
管制塔「エリア2に侵入!なお超高速で移動中!」
司令「ドーム発動!封鎖しろ!」
スターリップ街内。
みなと「そうだなぁ…サンドイッチにしようか。肉大盛の。」
さくら「デザートも」
みなと「たまにはいいか。」
警備システム管理局
管制塔「ドーム突破!速度落ちません!」
司令「警報は後だ!光魔法をレベル9にして焼き切れ!」
スターリップ街内。
さくら「やったー!みなとの手作りケーキだ!」
みなと「クッキーにする」
さくら「え~。ケーキがいい!」
管制塔「突破されました…」
司令「ここの警備魔法を最大にしろ。来るぞ…」
同刻
スターリップ街内
みなと「だめだ」
みなとは窓ガラスを見た。危険を感じたとかではなく、何か違和感を感じたからだ。その時。
パリーーン!!
「こんにちわ。さくらさん。」
窓ガラスを割り、侵入してきたのは真っ黒なマントを被った少年だった。
ウーウーウー
得体の知れない少年が丁寧に挨拶をするとサイレンが平和な街をうるさく覆った




