僕の君25
さくら「いいじゃない。その地味な帽子より、こっちの可愛い帽子の方が価値があるわ。」
みなと「最低だな!価値っていうは自分が決めるもんだ!欲しければ自分で買え!」
さくらとみなとの喧嘩がまた始まった。
さくら「あ、そう言えば。まだ助けてあげたお礼がまだだったわね。」
さくらがあたかも今思い出したように言った。
みなと(最初からそのカードを切ってくるのはお見通しだ。)
みなと「困った時はお互い様だ!お前がパーティーグッズを買わなければ普通に買えたんだ!お前のせいだ。」
さくらはムスッとした。だが、どこか困った顔をしている。
さすがに今回はみなとが正しい事を理解しているようだ
しばらく、さくらは黙って考えた。
さくら「分かったよ。あきらめる。」
さくら(今は魔力も少ししかないし、光と交換は出来なさそう)
ロイ「いやー。上手いなぁお嬢さん達。そんなに残念そうにされてたらこっちも悲しくなってきちゃうよ。分かった帽子の1つくらいあげるよ。ほらっ。」
さくら「ホントに!?ありがとう!おじさん!」
みなとは少し部の悪い顔をした。
みなと「ちょっと待ったおっさん!そしたら俺だけ悪者みたいじゃないか。ほらっ交換だこの帽子と。」
みなとは自分の帽子を勢いよくとりロイに手渡した。
…
…
…
ひまわりの刺繍が刻まれた帽子を被って満足そうな顔をした女と何も被っていない不満げな顔をした男が仲良く横に並んで歩いている。
みなと(あれだけ落ち込んでいたのに。しばらく1人にしてやったらケロッとしていつも通りの天然さくらに戻っていやがる。まったくどんなメンタルなんだ。)
さくら「ねぇ。みなと。私かわいい?」
みなと「怖い」
さくら「え…」
みなと「怖い」
さくら「二回言わなくても聞こえてる!そんなこと言わなくてもいいじゃん!せめて、変わらないとかにしてよ。」
みなと「…」
さくら「新種の妖怪を見つけたような顔を向けるんじゃないわよ!」
みなと「いや。だってほら。お前…やっぱいいや。」
さくら「何よ?…まぁいいや。取り敢えず観光しましょうよ!せっかくこんなに大きな都会に来たんだから!」
二人はテラジックを後にし、その先にある光の集う街、スターリップに来ていた。
さくら「この街はホントに凄いわぁ!いつも真っ暗な空が色んな色の光で彩られているもの!ねぇ!みなと、私ここで暮らそうかしら?」
二人は極彩色に彩られた立派な街道を歩いている。
みなと「そうだな。この明るい街では闇を怖がることなく暮らせそうだな。お陰様で俺達は商売上がったりで食いっぱぐれそうだが。」




