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僕の君  作者: そよかぜ
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僕の君2

光が眩しい。

ここはどこ?

なぜこんなに悲しいの?涙が…止まらないの…


目が覚めたさくらは1人真っ白の壁をぼんやりと見つめていた。

「そうだ、さつきちゃん。」

みなと「寝癖ヤバいぞ。」

さくら「は?うるさいんだけど?」

さくらの寝起きはすごく悪い。

さくら「さつきちゃんは?」

みなと「ベッドの下。」

さくら「え?」

さくらは頭だけベッドの上から出すと毛布をミノムシみたいに巻き付けて寝ているさつきを見つけた。

みなと「これが一番落ち着くんだとさ。」

さくら「そう…」

さくらはベッドから降りて、ベッドの下に入った。

それで小さい光を指先に作ってさつきを起こそうとした。


「おはよう。」

「おはようお姉ちゃん。」

目が覚めた瞬間さつきの目から大粒の涙が大量に溢れた。

さつき「あれ?あれ?何で止まらないの?ちっとも悲しくなんてないのに。何かお姉ちゃんの光を見ると温かくなって。悲しくないのに涙がでるの。」

みなと「そう。こいつの光は特別なんだ。どんなに暗いところでも、静かに寄り添ってくれる。希望の光なんだ。」

さつき「希望?」

さつきはさくらに首を傾げてきいた。

さくら「そう。希望。ホープだよ。」


みなとが早起きして作った朝食を3人で食べることになった。

「いただきます!」

がっついて食べるさくらに対してみなとは優雅に食べている。

さつき「さくらちゃん。がっつきすぎ。もっと女の子らしく食べないと結婚出来ないよ。」

さくら(まさか、10歳くらいの女の子に注意されるとは思わなかった。)

さくら「あ、そうだね、ありがとう。ところで、今さつきちゃんはいくつなの?」

さつき「分かんない。」

さくら「え?」

さつき「いつ生まれたか分かんないから、数えられない。私達の住んでる所なら、珍しいことじゃないよ。」

みなと「暗黒街出身か。お前よくここまで来れたな。」

この世界では街灯などの光の多さで治安の良さ、富を表す。

暗黒街はまさにその逆。

この世の終着点。中心に近付くにつれ暗くなり、中心は一筋の光もない。

暗く、見えるものは限られるため、犯罪が蔓延。そもそもどれほどの犯罪が起きたかさえ、把握できない。


さつき「私は!あなた達にお願いがあってきたの!暗黒街を照らして欲しいの!」

みなと「それは無理だ。規模が大きすぎてさくらの魔力量じゃとてもじゃないけど足りない。街灯を作るにしても金がない。そして、危険すぎる。」

さくら「ひどい!そんなこと言わなくてもいいじゃない!さつきちゃんは頑張ってここまで来たのよ!少しでも期待に答えたいと思わないの!」

みなと「そもそもだが、どうやってここまで来れた?暗黒街を出るのだって奇跡なのに、そこから俺たちを見つけた。どうやった?」

さつき「分からない。分からないけど、暗闇を抜けたいって強く願ったら不思議と暗闇が私を導いてくれたの。こっち。こっちだよって。その声をたどっていったらこの車の看板を見つけたの。照らし屋って。」

みなと「そんな話信じられるわけないだろ。」

さつき「でも、ホントだもん。」

さつきは下を向き、泣きべそをかきはじめた。

さくらは急いでさつきを抱き締めて頭をなでながらみなとをキッと見た

さくら「さいてい!」


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