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僕の君  作者: そよかぜ
19/45

僕の君19

しぐれ「この穴が、その光が作った穴ですか?」

みなと「そうだ、その延長線上にもう1つ穴が有るだろ。それが光が貫いた証だ。」

しぐれ「なるほど…」

暗闇に包まれた中、マンションの廊下を照らしている光がチカチカと不規則に点滅している。

さくらはその1つ1つに魔法で修復をしてトコトコと走り回っている。

その度に通行人から、「ありがとう」などの感謝の言葉を向けられた。

さくらが困っている人がいるかもしれない。と言って始めたが、みなとは何らかの情報収集になるかもしれないと睨み、それを許可した。

三人はさくらが、直した魔方陣によった照らされた倉庫で情報を収集、整理していた。

さつき「あのー、私はいつまでこんな格好をしていないといけないのでしょうか?」

さつきは防止をかぶり、オモチャのパイプと虫眼鏡を持たされていた。

みなと「あぁ、探偵ごっこをしたいと言ったのはお前だろう。」

みなとは段ボールの中を探りなからそう言った。

さつき「いや、かっこいいかもと言っただけで、着たいとは誰も…」

みなと「じゃあ、さくらに聞いてこい。あいつはお前とのお揃いのコスプレに嬉しそうだったけどな。」

そう何を隠そう!さくらとさつきのペアルック探偵コスプレなのだ。

買ったパーティーグッズを初めて使用する時がきたのだ!

みなと(あの光は一体なんだったんだ。さくらの方から出てきたが、あいつがあれ程の光を出せるとは思えない。あの光はこの鉄板を焼き貫いた。つまり、熱を含む程の集合した光ということ。熱…熱か。確か、さくらの光もいつも暖かい光だよな。)

みなとはしぐれの方を向きながら、ダメ元で提案をしてみることにした。

みなと「もしかしたら、さくらの光は。」

みなとが話そうとした時、冷たく鋭い刃が首に当てられた。

みなとの首を後ろから締め、鋭い刃を当てるのはあの華奢な腕。

しぐれだ。

しぐれ「あーあ。まだ、気付いて欲しくなかったな。」

さつきは唖然としている。

しぐれ「私はあなたを知っている。あなたは…」

みなとは首を締めた腕を掴み、ナイフは手を切られないよう、刃の面を指だけで掴んだ。

みなと「お、おおおらぁ!」

一気に顔と手が赤くなり、力を振り絞った。

しぐれ「う、うそでしょ!?」

締めていた腕とナイフを無理やりはがそうとしている。

しぐれ「ぬ、くくく!…ぬおおおお!!」

みなと「ああああああ!」

完璧に決まっていた腕が押し返され、

指の力だけで止められているナイフはピクリとも動かない。

しぐれ「このバカ力がぁぁぁ!!」

みなと「このゴリラ女がぁぁぁ!!」

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