表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の君  作者: そよかぜ
13/45

僕の君13

さくらはどうやら女の子の泣く声を意識が無くても聞きのがさなかったようだ。

みなと「お、お前。大丈夫か?…」

さくらは眉をひそめて、目からは一切の光が出ていない。

みなとを見つめるその瞳は真っ黒だ。

さくら「あんた…また蹴られたいの?」

さくらの声色はいつもより半オクターブぐらい低い。

みなと「な、何がだよ。」

みなとはさくらが目を覚ました事で頭が一杯になっていた。

すぐ後ろで泣いている女の子ことなんて、まさに眼中にない。

みなと「良かった…良かった。俺はお前がもしかしたら目を覚まさないかもしれないと思ってたから…まぁ、いびきかいてたから、そんなこと無いだろうと思ってたけどな。」

心配がほどけるのと、目を覚ました嬉しさが混ざった。

みなとは涙を下まぶたに貯めて、笑った。

ところが、一方でさくらはみなとが女の子を泣かせたことが許せない。

今度は、ジャンプキックを食らわせようとみなとに向かって走り出した。

ところが、どっこい。

それと同時にみなとがさくらに向かって走り出した。

さくらは蹴るタイミングを逃した。

あっけに取られて、ただみなとに近づいた。

「良かった!ホントに良かった!」

強く抱き締められたさくらは、動揺した。

さくら「お、おう。まぁな。」

手が震えている。

さくら「泣いてるの?」

みなと「あはは…嬉しくて泣くやつがいるかよ。」

さくら「よしよし。」

さくらは頭を撫でたかったが、届かないのでかわりに背中をさすってやった。

みなと「泣いてねぇって…お人好しめ。」

さくら「うるさい!」

さつきが二人抱き合っている隣に立ってジッとその光景を見ていた。

さつき「よしよし」

さつきは二人を横から抱き締めて、両方の背中を両手を使ってさすった。

受付けの女の子「うっ…うっ…」

さくらの耳に再び女の子の声が飛び込んだ。

さくらはみなとをはね除けて、受付けの女の子を指差した。

さくら「あんた、まずは女の子に誤りなさいよ!」

みなとは急に正直になって真正面から謝った。

みなと「ごめんなさい!泣かせる気はなかったんだ。」

受付けの女の子

「いえ、今のは何だか二人を見てたら、もらい泣きですかね?しちゃって。」

女の子は黒い手袋で包んだ人差し指で目尻の涙を拭って笑って見せた。

みなとはさくらに振り向いて、許しをこうような笑みをうかべた。

さくら「いや、今のはっていってるじゃん。さっきのやつを謝りなさいよ。」腕を組んでそう言った。

みなとは再び女の子の前に立ち謝った。

みなと「申し訳ありませんでした。」

さくら「よし…」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ