僕の君12
みなと「さくら!さくら!おい!天然さくら!」
外から眩しい光が差し込んでくると思ったら、一気に眩しくなった。
その後、暗くなったと思ったら、俺の股の間を光の光線が通って、異形を消し飛ばした。一体何が起こったんだ?
戸を開けてみたらさくらがいて、倒れてる。大家は当然居なかった。
さくら「うーん…クソチャラ男?…大収穫…だ。…」
さくらは意識がしっかりしないなか、みなとの顔を見るとそう言った。
そして今度はいびきをかいて寝てしまった。
みなと「永遠に寝てろ!何だよ…大収穫って…」
みなとは寝ているさくらをおんぶした。
キャンプカーの助手席に寝かせて、キーを差し、エンジンをかけた。
みなと「はぁ、疲れた。」
2人は冒険家受付所へと出発した。
…
「光と暗闇の狭間 テラジック」
冒険家受付所 広場
ここでは普段、剣や銃を振り回している冒険家もそんな物は1つも持たずにお互いに酒をかわしている。
音楽がなり、バーテンダーがグラスを真っ白な布巾で吹いている。
そんな中。
ドカン
一本の足が扉を蹴り開けた。
音楽が止まり、もう1つの音楽でもある冒険家の話し声も止まり、静まりかえった。
安っぽい服装をしたひょろひょろの男が立ち上がってひょうきんな声で聞いた。
「なにもんだ!」
酒を飲んでいた冒険家達はみんな、みなとを見て固まった。
冷たく鋭い目線がみなとに向けられる。
「お前らと同じ。光に魅せられた哀れな旅人さ。」
みなとはさくらをおぶったまま、そう言った。
静まりかえっていたのが嘘のように、ドッと笑いが起きた。
音楽は再び鳴り、緊張は溶けた。
みなと「さつき!さつき!」
さつき「ここだよ!お、お姉ちゃんどうしたの!?」
みなと「分からない。ぐっすり寝てるよ。ここに寝かせておく。見ててくれ。」
さつき「分かったよ。」
みなとは受付に行った。
みなと「出てこい!」
大声で怒鳴ったが、出てきたのはさくらと年が変わらなさそうな女の子だった。
みなと「あれ?じじいは?」
女の子「彼なら辞めました。やっぱりあっていないと言って。」
みなと「名前は?行き先は?」
女の子「分かりません」
みなと「なんだそりゃ…どうなってんだ!俺たちをはめやがって!」
みなとは机を拳で強く叩いた。
女の子「ひっ!」
女の子の怯えた声が聞こえるとみなとは冷静になった。
みなと「わ、悪い。怯えさせるつもりは無かったんだ。」
みなとは作り笑顔で謝ったが、時既に遅し。
女の子は我慢しながらも、静かに鳴き始めてしまった。
女の子「う…う…」
みなとは後ろから見覚えのある冷たい視線を感じて振り返った。
さくら「さいていね。」




