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きつねうどん
「きつねうどんをお願いします」
うどん屋さんで注文が厨房へと流れていく。冷房で冷えたお腹に温かいのがいいなと思っていたら、あっという間にうどんがやってきた。
「どうも、おぜうさん」
うどんは素うどん。横にきつねが付いている。器と同じくらいの大きさだ。どういうことなの……。
「どうも。うどんと、きつねです」
食べろという事なんだろうか。箸をきつねに向けると、それは止めて欲しいとやんわりと断られてた。何をしてくれるのかと思ったら、私が食べ始めると関西と関東のうどんの違いを丁寧に語り始める。
「そもそも、器の底が見える程に澄んだツユで頂くのが関西風でしてね……。白出汁が効いていて、これがまた上品であり、一方関東風は……」
聞いている内に食べ終えてしまった。
「では、拙者はこれで」
いつの間にか、油揚げが一枚ちょこんと器に残っていた。きつねにつままれていたみたい。




