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完璧なる隠れ家。

 鳥の鳴き声、静寂を破るは風の音。夜ともなれば月明かりが照らしてくれる。


 森はいい。人間と違って。


 人里離れたその別荘は、日々と隔絶し、自分を自分に立ち返らせる別世界。その扉を開く為にいつもここにいる。


 開かれた扉の前で、静かに筆を取れば、芸術の神アプロディーテが、紙に舞い降りる。


 静かに踊れ筆の舞。胸に溢るる想いを焼き付けてくれ。その為のここは異空間。奔れ想いよ。どこまでも自由に。



 夜が明ける頃には一枚の芸術。それがこの世に姿を表す。


 鏡のように、世界の映し身のように、それはこの世界そのものを表す。情熱の炎を、情念の炎を焦がし、世界に降り立った命を削ったそれは、またどこかの誰かの見た心を燃やす。そのような連鎖を生み出す芸術こそ。ここで生まれ世界へと羽ばたいていく。


 どこまでも静かで、どこまでも熱く。それが彼の為の、彼だけの隠れ家。

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