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第7話 赤き小太刀と咆哮する魔獣

なんか色々聞かされたけど、要はハローワーク行ってこいということだ。

確かに地球の情報を集めるなら就職も悪くないかもしれない。

そう思って俺は『市役所』へ向かった。


「63番の方、どうぞー!」


「あ、ああ」


「(また社会のクズが出てきたな。税金潰しめ)就職紹介ご希望とのことですね。どのような職種がご希望でしょうか?」


また舐められてる気がする…。気のせいか?


職種などは考えていなかった。この世界の職業の知識がないから当然といえば当然だが。とりあえず、自分の強みを言ってみよう。今まで散々コテンパンにされてきたが、そこらの人間に負ける気はしない。傭兵のような仕事はないだろうか?


「力なら、自信がある…」


緊張してるのかな?小声になってしまう。


「(そんな自信のなさそうにいうなよ)えー、では建設業や、警備員などはいかがでしょうか?」


やっぱり舐められてないか?うん。気のせいだと思いたい。


建設業って城の壁作るんだろ?ゴブリンにでもやらせとけよ。なら、警備員か。衛兵みたいなもんだろ。それならできる気がする。


「警備員で、頼む」


「(うわーキツイの選んだなぁ。どうせまたニートになるのがオチなのに。)かしこまりました。こちらの企業などはいかがでしょうか?」


絶対こいつ俺のこと舐めてんな。後で氷漬けにしてやる。


「ああ、そこでいい。あとはどうすれば、いい?」


「(それぐらいわからないの?これだからひきオタクズニートは…)えー、こちらの紹介状を持って面接を受けて下さい。詳しい日時は追って連絡します。」


ぶっ殺してやる。


連絡先はこれを使えとメイから貰った『すまーとふぉん』がある。丸一日かけてようやく電話ぐらいならできるようになったが、まだまだ使い方がわからんけど。


1週間後、『面接』を受けてきた。いきなり不採用にされそうだったけど、魔法で記憶をいじって無理やり採用させた。


どうやらこの仕事は『軍服を着て、迫り来る中型や大型の魔獣【くるま】【とらっく】を赤い光を放つ小太刀【ゆうどうとう】で華麗にいなす仕事』らしい。赤い光には魔力が使われているはずだ。俺にはうってつけだな!…違う?この世界に魔力などない?そうですか。そうでしたね。


初勤務。今日は研修らしく、仕事ぶりを見ていろとのことだ。やっぱりあれは魔獣にしか見えない。先輩警備員たちはその魔獣【くるま】を華麗に受け流して行く。どうやら彼らと怪物は敵対しているようで、挟み撃ちなども狙ってくる。しかし、こちらの指示にはなぜか従うようで、止まるように棒と声で全力で指示すると、中から人間が「はやくしろー!」と叫びつつも止まってくれる。どうなってるかはやっぱりわからん。


3時間ほど経過した。先輩たちも疲れが見えてきた。魔獣と戦っているのだから当然だろう。それに、いつまでも人間に頼っているわけにはいかない。


「人間、どいてろ!ここから先は俺がやる!今のうちに逃げろ!」


「はあ?君何言ってんの?危ないからそこどいて…」


パッパーッ!!!!!!


魔獣が咆哮する。大型の【とらっく】だ。まずい、このままでは先輩が体当たりされてしまう!


「危ない!!!」


そう叫び、俺はとっさ身を盾にして先輩を突き出す!


キキィーーーー!ガンッッッッッ!!!!!


あのフライパン並みの衝撃とともに、魔王の意識は闇に葬られたのだった…。








最後までお付き合い頂き、ありがとうございます。評価・コメントの方もよろしくお願いします。

いつものテイストのが落ち着きますね。

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