『恋は…』
微百合です。苦手な方は注意してください。
恋とは、甘美な毒だ。
嬉しそうに話す彼女を見ると、心底そう思う。
私の隣にいる彼女は、意気揚々と話を続ける。隣にいるのが私だろうがなかろうが、彼女は話し続けるだろう勢いだ。
─やっぱり、聞かなきゃよかった。
心の中でそっと呟く。表情には一ミリも出さず、適度な相槌を入れ、彼女が望む返答を適当なタイミングで入れる。話題は、いつの間にか彼女のお相手が彼女と意見が合わない話になっていた。
─私なら、そんなことはしないよ。
すんでのところでそれを飲み込み、聞きかじりの知識で彼女を宥める。そうして、彼女は納得しつつ話題をまた変えていく。
─あぁ、なんて、なんて惨めなんだろう。
心のドロドロした部分を隠しながら、私は今日も彼女の隣を歩く。本当に隣にいるのは私ではない、そんなことを自覚しながらも、私はこの毒からは逃れられないのだった。
そろそろ本編も進めたいのですが、設定を煮詰めてない+もう一度プロットをやり直したいと考えているためもう少々かかります。短編は時間が空き次第随時更新していく予定です。
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