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Crimson eyes ~テロリストの日常~  作者: 黒峰凍夜
プロローグ~彼らの一幕~
1/6

昼時の強盗

はじめまして、黒峰です

処女作なのでデキの保証は無いです(申し訳ない)

暖かい目で見てくれると助かります…

およそ1300年前の話。世界は戦争していた。各地で銃声と悲鳴が響き、空には砲弾が飛び地面にはしたいが積まれ血だまりが鈍く輝く。



その戦争中、ある国の研究者が『兵の質と量を向上させる』ことを思いつく。



紅目の英雄計画



研究途中にできた特殊なウイルスを生きた人間に注射する。打たれた人間はしばらく暴れた後、自我を取り戻す。人種関係なく目が紅くなると同時に身体能力の向上が見られ、外見が変わらなくなっていた。



実験自体は五桁を超え、成功は5836人。その全員が戦場に出て活躍した。



その中で特殊な能力を発動した個体がいた。あるものは足だけが獣のようになり、脚力が大幅に上がった。ほかにも角が生え筋肉が異常に発達するもの、外見の変化はないが記憶力が向上したものや反射神経が格段に早くなったりしていた。



彼らが戦場に出れば敵対する勢力は壊滅。敵対する国がなくなったのは、彼らが出てきてから20年後だった。



平和になった世界で彼らは英雄だった。が、大きな力を恐れて人々は排斥運動が活発になってくる。彼らは『紅目あかめ』と呼ばれ、世界中から迫害を受けた。そのため、紅目たちは目の色を変える術を身につけ世界から姿を消した。



しかし、迫害を受け続ける紅目たち。彼らも子供を作り増えていき、やがて世界の人口の5分の1にまで達した時、異なる考え方をし始める。



そして出てきたのは多くの国際的テロリスト集団。極東にできた『舞踏銀桜』や『月影の刃』。北欧の『一角十字』と『司徒』などが活動し始めた。本能の赴くままに行動する彼らは自分たちが優れた人種だと主張する。それに伴い、世界中で紅目対策が講じられ、組織された集団の中には紅目がいて対処する。



世界で対立する中で、異色の集団がいた。彼らは困っている人を見つけては手助けをする。時には非合法的な手段を執ることもある。



『好意には善意を 害意には敵意を

 成功には報酬を 失敗には罰則を

 罪には罰を   殺意には殺意を

 与えられたものには返礼を』



そう語った彼らの名はーーーーーーー『紅き蛇遣い』




◇◆◇◆◇◆◇◆◇


『ーーであることから、この場合はーーー』



アメリカ、ニューヨークにあるビル街。様々な人が歩くなか、一人だけ異質な人間がいた。



「・・・・・・腹減ったなぁ・・・」



黒いスラックスにYシャツの上によれた白衣を羽織っている男。ダークブラウンの髪はぼさぼさになり、同じ色の目は優しい印象を受ける。首から提げられた名札には『ノックス=エディンクス』と書かれていた。



「・・・働きすぎかぁ」



彼が今の職場に就いてから三ヶ月。上司や同僚に働き過ぎだと怒られたため、一週間ほどの休みを言い渡された。



「何をしようか・・・」



常に仕事・・をしている彼は特に疲れは感じていないが、休みになったからには職場にはでられない。時計が12時近くを指している。



「ちょうどいいし、飯にするか・・・」



近くにあった喫茶店に入る。昼時とあってほぼ満席だった。店員に案内されたのは一番奥のカウンター席だった。



「軽めにカツサンドと珈琲で」

「…...それは軽いのか?」



隣の声に反応して見れば、短い赤髪を逆立てた男が呆れ顔で座っていた。歳はノックスと同じくらいで、金色の目はつり上がり怖く見え、さながら不良のようだ。ジーパンに赤のインナー、その上に革ジャンと格好も不良じみていた。



「腹減ったんだよ、これでも足りないんだよ」

「どんだけ食うんだよ…」

「というか、仕事・・はどうしたんだよ、ケルム」



ケルムと呼ばれた男は方を竦めた。



「お前らと違ってオレのは簡単に終わるやつだからな。後は指示待ちってとこだな」

「羨ましい限りだよ、本当に」



ノックスは運ばれて来たカツサンドにかぶりつく。揚げたてなのか温かくなっている。思わず頬が緩む。



「んで、お前の方はどうなのさ、研究者さんよ・・・・・

「.....楽しそうだな」



ノックスはため息をつき、カツサンドを置く。代わりに手に取ったのはポケットから出した携帯端末。スマートフォンとは少し違い、カメラ機能がないもので防塵防水で壊れにくいと耐久性に優れたもの。電源を入れ、操作しながらコーヒーを飲む。



「こっちも一応は終了かね。俺も後は指示待ちだ」

「他の連中は?」

姉さん・・・はまだ仕事・・だし、あとの二人はピザ屋のバイトだろ」

「ピザ食いてぇな」

「なら頼めよ」



端末をしまい再びカツサンドを食べようと手を伸ばす。と、そこで二人はなにかに気づく。



「何か騒がしいな」

「というより、外でなんかやってんのか?」



耳を澄ますと聞こえる、男の怒号と複数の悲鳴と拡声器の呼びかけ。内容は銀行強盗が人質をとって移動している、との事だった。



「強盗とはよくやるよな」

「本当にな。.....これ、こっち来てないか?」



大きくなる声に二人は顔を見合わせる。ノックスはカツサンド、ケルムは飲みかけのコーヒーを持って急いで口に放り込む。お金を置いて立ち上がり、入口へ向かうがーーー



「オラァ!!!テメェら動くんじゃねぇぞ!!」



店の中に人質2人を連れた強盗5人が入ってきた。



「「うわぁ、めんどくせぇ...」」

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