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かけがえない物  作者: ひだまり
14/21

再検査

自分は今、診察室に恋人と並んで座っている、先生の話を聞くためだ、話は一人で聞きたいと申し出たが恋人は、「僕にも気を付けないといけない事があるだろうから」と、その申し出を却下した



昨日、運ばれた後にどんな処置をされたのだろう、全く思い出せない、医者からの話が炎症の事だけとは考えにくい



「今のところ炎症は治まっています、中絶されたとの事ですが、傷がまだ残っていますね、3ヶ月経つという事ですが…。まだ性行為は控えて下さい。抗生物質と頓服を出しておきます。それから」



医者が淡々と状況の説明をする、傷があるとわかったという事は、エコーか何かで子宮を診たのだろう



「 ポリープが2つ程見つかりましたので、切除しましょう、ポリープは検査に回します、明日、もう一度来て下さい」



「ポリープって、ガンの可能性もあるという事ですか?」



恋人が質問する、可能性はあると、医者が答える、まだポリープがあったのか、それともまたできたのか…

前回ポリープを切ったのは、医者が肉眼で見つけた時だ、初診の際のエコーでは自分も医者も、何も気付かなかった、というよりも、赤ちゃんで子宮はいっぱいで、周りは殆ど見えなくなっていた



「子宮の傷が治るまでは通院して下さい、少し治癒が遅すぎます、検査の結果は通院中に出ますので、悪性だった場合にはまた今後の治療を話し合いましょう」







運ばれたのは近所の救急病院だった、恋人にきっと良性だから大丈夫だと、励まされながら家路に着く



自分は「うん」とか「ごめんね」とかしか言えない、何も言葉も出て来ず、俯きながら手を繋がれて歩く



「結果は、一緒に聞きに行こう」



きっと不安に思っている筈だという思いやりだろう、付いてきてくれると言う、「仕事でしょ、一人で大丈夫」と言うと、重ねて「大丈夫だよ」と返される



この日は恋人は仕事を休んでくれていて、お昼ご飯を外で食べ、夕飯は恋人が作ると言って、ハンバーグの材料を買って帰った



















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