おじごえ
掲載日:2026/05/14
吉田松陰の歳を越えたと知り、もっと頑張らなくちゃと思いました。
「ありがとう、これ返す」
「そっか。
どうだった? 参考になった?」
コク、と返される。
僕は笑顔で、
「また借りてくるよ、叔父さんの本棚から」
「ありがとう」
作家志望の少女は微笑んで言ってくれる。
根が暗いから、この子の微笑みは最大の笑顔。
「夏休みは長いから、もっと読んでよ。叔父さんの本はたくさんあるから」
―母さんの実家
「…やっぱ気になるな」
本を借りようと思い、母さんの実家に帰った。
いつものように叔父さんの部屋に入り、借りようと思った。
若い頃に亡くなった叔父さん、甥の僕みたいに本が好きだったらしい。作家志望ってとこは違うけど。
僕は本が読めりゃいいんだい。
たまたま目に入った日記。
読んじゃいけないとは、思う、けど。
けど。
…。
「叔父さん、高1で死んだのか」
『明日は修羅の朱鷺の発売日、買わなくちゃ』
それが最後の言葉。
僕は高2、叔父さんの歳を越えた。
そう思うと、
「…あの子の応援、もっと頑張ろう」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。




