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キミにもう一度会うために

作者: 汐野 夢咲
掲載日:2026/03/07

エレナ、キミがいなくなってもう1年経つんだね。

俺はまだ立ち直れずにいるよ。

キミがいない世界なんて考えられないからね。

エレナ、叶うのなら、もう一度キミに⋯


エレナ・ブルームは1年前病気で死んだ。俺の彼女だった。彼女は俺に病気のことは一切伝えず、死ぬ間際になって、

「ロリスに心配かけたくなかった。ごめん」

なんて。そんなことになるのなら、もっと一緒にい

てやれば良かったと心から後悔している。彼女の写

真を見返す度に胸が締めつけられそうになる。夢で

もいいから彼女に会いたい。そんなある日、1通の

メールが届いた。


ゲームに参加しませんか?最後の1人まで勝ち残れ

ば、あなたの願いをなんでも1つ叶えます!


最初は嘘だと思った。でもそのメールをよく読んで

みると、


叶う願いの例

亡くなった恋人を蘇らせてほしい


と書いてあった。それを見た瞬間、すぐに応募して

しまった。

優勝すればエレナに会える。そのためならなんだっ

てする。待ってて、エレナ。


次の日、ゲームを開始するという連絡を受け、指定

された場所へ向かった。そこには大勢の人がいた。

全員ゲームの参加者なんだろうか。

前には、ナビゲーターらしき女性が立っている。


「皆さんようこそおいでくださいました。私はこの

ゲームのナビゲーター、ステラ・アトラクトです。

よろしくお願いいたします。ここには選ばれし100

人の願いをもった方がいます。しかし、願いが叶う

のは1人だけ。皆さんには3つのゲームに挑戦してい

ただきます。ゲーム終了時、勝ち残っていた1人の

願いを叶えます。ただし、途中で全員脱落した場合

には、その時点で残っていた方の願いを叶えます」


「第1ゲームはこの森に潜む猛獣を退治していただ

きます。今から皆さんに剣をお配りします。これを

使って退治してください。猛獣を倒した数と猛獣の

レア度によってポイントがつきます。猛獣に食べら

れてしまうと即脱落ですのでお気をつけください。

制限時間は1時間です。皆さんの健闘を祈ります。

それではゲームスタートです!」


ステラが消えると、一斉に走り出した。ロリスも猛

獣探しを始めた。開始早々、悲鳴とともに脱落者が

続出した。ロリスは怯えながらもエレナに会うため

に必死に猛獣に立ち向かった。終了まで10分を切っ

た頃、ロリスの前に大きな猛獣が現れた。その猛獣

は今までと違い、会話ができた。これは絶対ポイン

トが高いと思ったロリスは倒すことを決意した。向

かってくるロリスを威嚇し、噛みつこうとする猛

獣。それをもろともせず、隙を探すロリス。一進一

退の攻防が続く。


「終了まで残り5分です」

ステラのアナウンスとともに、ロリスは賭けに出

た。助走を思いっ切りつけて跳び、猛獣の背中から

頭にかけて剣を振りおろした。すると猛獣は真っ二

つになり、

「この私を倒すとは⋯」

と言って消えていった。疲れきったロリスはその場

に倒れ込んだ。


「終了でーす!」

ステラのアナウンスがあり、スタート地点に戻ると

100人いたはずが数えられるほどに減っていた。

「おめでとうございます!ここにいる皆さんは第1

ゲームクリアです。残った数は15人です。それでは

順位を発表します。第1位、ロリス・レガシーさん。10000ポイント」

え!?俺が1位?やっぱりあの猛獣はレアだったんだ。その後も順位発表は続いた。


第2ゲームは3人1組のチーム戦です。エリア内にあ

る50音が書かれたカードを探し、言葉を完成させて

ください。先に3ペア完成したチームの勝利です。

その他のチームは脱落となります。それではチーム

を発表します。ランキング上位順に組んでいただき

ます。ではゲームスタートです!


俺のチームは、ローズとアミンの3人。とりあえず1

枚カードを見つけてから言葉を考える作戦だ。

「あったよ!」

ローズが見つけたのは「り」

「りんごとか?」

「そうだね。りんごにしよう」

その後も次々と見つけていき、りんごの文字が完成

した。


次に見つけたのは「き」

「き⋯キング!」

3人は文字を探して揃えていった。

「よし、最後だね」

「みなさ〜ん、現在2チームが2つで並んでいます」

「マジか⋯急いで探すぞ!」

とアミン。見つけたカードは「さ」


「さくらにしよう」

ロリスが言った。さくらには忘れられない思い出が

ロリスにはあった。

「私、さくらが一番好きなんだ。ブルームって「咲

く」って意味なんだけど、私の家に花がいっぱいあ

ってさ。名字もそこからきてるんだって」

とエレナが言っていた。さくらは特別な花だとも。


3人で協力し、3つの言葉を完成させることができ

た。そして俺のチームが勝利した。


「最終ゲームは過去に囚われたあなたと闘っていた

だきます」

その言葉のあと、俺の目の前にエレナが現れた。で

も様子がおかしい。どれだけ話しかけても「好きだ

よ」としか言わない。ロリスは涙が溢れる。

「エレナ⋯これをどうしたらいいんだよ!」

俺のせいだ⋯もっと一緒にいてやれれば⋯ふい

に、ポケットからさくらのピアスを取り出し、エレ

ナにつける。すると、

「ロリス⋯」

エレナが意識を取り戻した。


「ゲーム終了でーす!」

ステラが言った。

「優勝者はロリス・レガシーさんです!」

周囲から盛大な拍手が贈られる。

俺が優勝したんだ⋯ロリスは信じられなかった。

「それではロリスさん。願いをどうぞ」

ステラに促され、ロリスは言った。


「エレナ・ブルームを蘇らせてほしい」

「わかりました」

すると、ロリスの目の前に女神が現れた。

「あなたの願いを叶えましょう」

そう言うと、まばゆい光に包まれた。目を開けると

そこはロリスの自宅だった。エレナが存在している

のか確認したくなってドアを開けるとエレナが立っ

ていた。


「エレナ!」

思わず抱きしめるロリス。エレナの病気も治ってい

るようだ。

「ロリスが蘇らせてくれたんだよね。ありがとう。

これからはずっと一緒にいてよね!」

「もちろんさ」

2人は昔の時間を取り戻すように、幸せに暮らして

いる。

                おわり

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