なすがままに
『なせばなる』は『やればできる』という意味のことわざです。
江戸時代に上杉鷹山が詠んだ和歌が由来です。
鷹山の先祖は上杉謙信。
そのライバルであった武田信玄も、『なせばなる』で始まる似た意味の和歌を詠んでます。
上杉鷹山は武田信玄の歌を知っててアレンジしたのかも。
その森ではイチジクの木が実をつけていた。
小さなタヌキくんと、頭に王冠のようなものを乗せた白いおサルさんがいる。
二人の間にあるお皿には、おせんべいが乗っている。
皿の横には湯気のあがる湯呑も置かれていた。
「んとね。白猿さん。夏になると、キュウリとナスをかざるよね」
「子狸くん。それは精霊馬と精霊牛だ。お盆で供えするんだ」
「んとね。お盆って8月だよね。でも、7月にかざる家もあったの」
「もともとお盆は旧暦の7月15日で、現在でいう8月15日頃だ。関東や沖縄などでは7月にお盆のイベントをやるんだ」
「でも、盆休みや盆踊りは8月になるんだよね」
「そうだな。お盆の行事は各家でやるから7月でも8月でもいい。でも休みやお祭りは社会的になるから8月に統一されているな」
「おそなえするキュウリのウマと、ナスのウシにはどんな意味があるの?」
「お盆には亡くなった先祖の魂が家に帰ってくるんだ。家に帰ってくるときに馬に乗って、冥界に戻るときは牛に乗るんだ。家に来るときは馬で早く、冥界に戻るときは牛でゆっくり行くわけだ。だからキュウリとナスは、それぞれ逆向きに飾るんだぜ」