陸 俺様たちが生徒会役員?!
「お前、その喋り方違和感凄いぞ?」
「やっぱり?」
「お前…そんなに嫌なのかよ…」
「いやっつーか…なんつーか…」
「どんなことになろうが俺にはお前だけだ!」
「円満…ッ!」
この2人の会話に聞き耳をたてて、ドキドキと胸を弾ませる新入生。自分が新役員になるんじゃないかとヒヤヒヤする新入生。まさに混沌と言えるだろう。
「理事長から2人選ぶようにと言われてるので…生徒会長!!頼みます!」
生徒会長がくじを2枚引くと、周りが静まり返った。
ゆっくりとくじが開かれる。
「4101!4106!」
読み上げられたのは琥珀の番号と…
「オレ様ぁ?!」
虎男の番号であった。虎男に生徒会役員をやらせて大丈夫なのかと生徒会長は心配していた。
「決まりました?」
「学園長…なんで居なかったんですか…」
「寮長会議が長引きまして…」
「全く…今年の生徒会新役員です。」
生徒会長は学園長に虎男と琥珀を紹介した。
「おや…」
学園長は顔をひきつらせた。
そうすると学園長は生徒会長に耳打ちし、生徒会長は頷き、虎男を別の場所に連れていき、他の生徒達を寮へ連れていくよう役員達に指示を出した。
「猫俣くん、君に特別な仕事を任せたいのです。」
「特別な仕事…?」
「ええ、特別な仕事を…」
学園長は琥珀を学園長室へ案内した。
学園長室は和多都美の女帝と呼ばれる理事長の写真が飾られていた。
「猫俣くん、七つの美徳ってご存知ですか?」
「美徳?大罪ではなくて?」
学園長は丁寧に美徳と大罪の違いを教えた。
「美徳は善行や良い性質を指し、大罪は悪い行為や性質を指します。」
「要するに対義…」
「ええ、簡単に言ってしまえば対義語です。」
「それと特別な仕事に何の関係が...?」
学園長の表情が暗くなった。
「うちの七つの寮の寮長達、七騎士団の事なのですが…」
「七騎士団…」
「七つの寮はそれぞれの美徳に基づく精神を鍛える場所ですが…」
「ま、まさか…」
「その″まさか″です。」
琥珀は怯えた。七騎士団を相手に「風紀を乱すな」と発言させられる可能性が見えてしまったからだ。
「七騎士団を正しき寮の精神の道に戻してあげてください!」
「ふぁ?!」
「一番簡単そうなのは蛇園海人くんですね…。あの子は一人の娘のせいで狂ったので…」
「一人の子?」
「ええ、連れ戻してくださいね。」
「いや、でも…一年の僕が先輩に歯向かうなんて…」
「学園長に言われてきた。と言えば大丈夫ですよ。こう見えて私、強いので。」
「は、はぁ…」
半ば無理矢理、特別な仕事を引き受けることになってしまった琥珀。でも本当はちょっぴり楽しみにしているんだとか。