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和多都美学園の七騎士団  作者: 諸伏優
和多都美学園へようこそ
4/6

肆 入学式

体育館の二階部分に七つの椅子があり、それぞれ紫の獅子、緑の蛇、赤の狼、白の不死鳥、黄の蜘蛛、橙の鰐、青の蠍で構成されている。寮長が座る椅子なのだろう。


五人の寮長が席に着いた。

後二人はどこにいるのか…


「すまんな!どうしてもコ《・》レ《・》が捕まらなくてな!」


ハート型で目のついた謎の物体を大切に抱き抱えて持っていた。

謎の物体を青の蠍の椅子に置くとその物体はふわふわと浮遊し始めた。



「それでは学園長よりお言葉を頂戴したいと思います。学園長、お願いします。」


学園長が壇上に上がった。


「この度は、ご入学おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。(わたくし)は学園長の伊座野凪(イザノ なぎ)と申し上げます。」


伊座野凪学園長は、理事長と古くからの仲で信頼から学園を任されているそうだ。


「実は理事長から三つ預かっている事がありまして…一つは剣、二つは衣、三つは学です。

理事長は…昔から厳格でして…剣の腕を鈍らせることなく卒業した生徒が多いのはご存知でしょう…。」


全く聞いたことがない。剣など身につけて何をするつもりなのだろうか…。


「実は全て我らが重んじる騎士道精神なのです。

昔この島に訪れた七人の騎士に基づく寮ごとに精神を鍛える為に剣を身に付ける…という決まりが…」


七人の騎士の精神に基づく寮ならどう見てもあそこにいる寮長達はそれを守っていないだろう。


「まあ、これが一つ目ですね。二つ目いきますよ~!」


学園長ってもしかしたら適当なのかもしれない。

ここにいる新入生全員が偶然にもそう思った。


「えー…身だしなみに関しては基本自由です!ただし、私服での登校は禁止です。生徒会による厳しい検問を行うので注意してくださいね!」


私服での登校は禁止なら謎の浮遊物体H(ハートのふゆうぶつ)も禁止だろうが。と琥珀は心の中で語った。


「そしてそして三つ目!!とにかく怠けないで勉強してくれればいいです。はい。入学式終わり~!」


学園長は勢いを無くしていた。その気分屋っぷりに全生徒は困惑していた。


(寮長たちは…は?!)


七つの椅子には自由奔放に寮長達が行動している。

1人は眠り、1人は高圧的に新入生を見下ろし、1人は謎の浮遊物体Hを見て、2人は喧嘩、1人は謎の浮遊物体Hに話しかける。何ともこんな人達が寮のトップでいいのかと思ってしまう。


「では寮分けの準備のため新入生は一度校舎の方に移動をお願いします。」


新入生は生徒会の案内に続いて移動を始めた。


「お前だけハブられか~…可哀想に。」

「貴様!もう少しオブラートに包めないのか!」


2人の寮長が謎の浮遊物体Hに話しかけた。


「あんまりこっちに出たくないシ…女子いないシ…」


謎の浮遊物体Hはそう言う。


「寮に戻るなら送るぜ?」

「ジブンは本体じゃないから戻らなくてもいいシ、チョット見物してくるシ…」


そう言うと謎の浮遊物体Hは寮長の椅子から降り、

何処かへ行ってしまった。

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