追放
俺たちは、森の中で凶暴なオオカミに囲まれていた。
「離れろよ。向こう行けって。」
俺たちはこの先のダンジョン『アビスゲート』に向かっていたのだが、うっかりオオカミたちのテリトリーに踏み込んでしまった。
「おい、ドナルド!どうにかしろよ!」
無理だ。俺達にはどうしようもない。
俺の腕にオオカミが噛みつき、血が地面に滴った。
☆
俺たちはたまたま近くにいた、ベテランパーティーに救助され、町に帰還していた。
「どっかの誰かさんが道を間違えなきゃな。」
「そうよね。なんでわざわざ、オオカミのほうに行くのかしら?」
どうやら、パーティーのメンバーたちは俺のせいにしたいそうだ。
「俺のせいだっていうのかよ。」
俺はパーティーのリーダーに掴みかかりながら、訴えた。
「ああそうだよ。そもそもお前がアーティファクト持ってるって言ったから、加入させてやったのに、全く役に立たなかったじゃないか。」
「そんなの関係ないだろ!そもそもリーダーが判断ミスしたのが悪いじゃないか!?」
言い合いがどんどん白熱していく。
「もうお前みたいなザコはクビだ。クビ。」
「あ?なんだとも一回言ってみろよ。」
俺たちは酒場の中で殴り合いになったのだった。
始めまして、作者の池塘春草この度小説家になろうにて連載させていただくことになりました。
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