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理系男子と文学少女  作者: しださん
出会い編
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6/17

貸し出しカード

京 (なんだ…めちゃくちゃ簡単だな…

焦って損した、これならあの子でも解けるだろうな

とりあえず答えノートに書いて待っとくか…)





------------------5分後----------------------



京 (ん〜…やけに遅いな…

流石にもう解き終わってると思うんだが…

さては、さっき俺のことを派手に拒否った手前、話しかけづらいのかもしれないな…

しょうがない、ここは俺から話しかけよう…)



京の感覚的に、このレベルの問題は ”1+1=?” と聞かれているのと変わりないため

このとき京は、この問題は解けて当然と思い込んでいた。

京は席を立つと、数席空けて座っている少女の方へと向かう。


京「おーい、解き終わったか……」


京の視界に飛び込んできたのは、ビッシリと数字で埋め尽くされ、なんども書き直した跡のあるノートだった。


黒髪の少女は、京の視線に気づいたのか、慌ててノートを京から見えぬようにパタンと閉じてしまった。ノートを閉じた際、"小森" という文字が表紙に書いてあるのが見えた。どうやらこの少女の名前らしい。下の名前は手で隠れてしまっていて見えない。


数字がぎっしりと書かれたノートを見て、京は全てを察した。


京「まさか1から順番に足していってるのか……」


ノートを見られたと分かり、少女の頬が少し赤みをおびる。


黒髪の少女「なっ、なによ。悪い?!

だって、それしかやりようがないじゃない…」



京 (あぁ…そりゃ五分たっても終わらない訳だ…)



京「うーん、わかった!じゃあ一緒に解こうぜ!二人で議論すると見えてくるものもあるから」


黒髪の少女「………………いい。」


京「え…いや、自力で解ききりたいって気持ちもわかるけど…

ん〜、じゃあヒントとか!」



黒髪の少女「いいって言ってるでしょ。解き終わったのなら先に帰って構わないわ。」



京 (うぅ…ダメだ…何を言っても聞いてくれる気がしない…)


京「そ、そうか…じゃあさ、俺、図書室行って本見てるから終わったら声かけてくれよ」


黒髪の少女「だから、帰っていいって…」


”帰っていいって言ってるでしょ”と少女が言い終える前に、京は聞こえないフリをして、カバンを手に取り、そのまま教室を後にした。


京 (あの子は相当頑固だな…とりあえず聞こえないフリして教室出てきたし、終わったら声かけてくれるだろ。)


京は図書室が大好きであった。

ここ叡智高校の図書室には、文理問わず様々な本が揃っており、その内容も、標準的な高校レベルから、上は大学院レベルまでと幅広かった。


京 (この前返却期限のせいで全部読み切れなかったからな、もう一回借りないと…)


本を探している途中、京の視界に一冊の本が飛び込んできた。

" 1から学ぶ高校数学 "


京 (うわぁ、懐かしいな、昔俺も読んでたな…

読み始めの頃は、結構つまずいて、必死こいて勉強してたっけ…)


昔を懐かしく思いながら、何気なく、京はその本を手に取った。

するとその時、本の間から1枚の紙がヒラリと床に落ちた


京 (?、貸し出しカードか

この高校にもこういう初学者向けの参考書借りるやついるのかな…)


何気なく手に取った本から落ちた1枚の紙。

そこには、見覚えのある名前が書かれていた


京 (小森……?)





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