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理系男子と文学少女  作者: しださん
出会い編
4/17

最悪のスタート

-------------京の自宅--------------


京「ってわけだから、明日から俺は帰るの少し遅くなりそうだ」


雫「ええ?!明日からなの?!」


京「そうらしい…」


京の母「あらあら…まぁ悪い事じゃなくてよかったわ。

帰り道は暗いだろうから気をつけて帰ってきなさいね。」





------------------------次の日の放課後-----------------------




京は放課後、校長から指定された、文理混合授業が行われるという教室に向かった。

どんな生徒たちが待っているのかと、少し緊張しつつ、期待に胸を膨らませ、教室の扉を開ける……






















教室にはいつも通りイスと机が並んでいた、最新型の真っ白な机と、座りやすいように少し曲線を描いた、これまた真っ白なイス。

机と机の間は、ひと1人がゆうに通れる隙間が空いており、びっしりと机とイスが並んでいるというよりは、ゆったりとした空間となっている。

埋まっているのはたった1席だけ。

教室の中央あたりに、ポツンと、1人、座っている。

横顔が見える。

スラッと伸びた綺麗な黒髪。

整った目鼻立ち。

アイドルや女優と比べても、引けを取らないであろう美しさ。

少女が1人、教室で黙々と本を読んでいた。

ブックカバーがついており、なんの本かはよく分からなかった

が、ブックカバーはかなりボロボロで、大切にしている本なのだろうというのは分かった。


京(え…まだ一人しか来てないのかよ…

いや、まさか…2人っきりで授業受けるなんてことはないよな…?

校長は具体的に何人で授業するとは言ってなかったから、その可能性も…

ある訳ないか、ラブコメの読みすぎだ。

というかあんな美人、この学校にいたのか?

初めて見たぞ…

とりあえず、この授業は大人数で受けるって訳ではなさそうだ…

これから1年間、同じ授業受けるわけだし、あの子とも仲良くしておかないとな)


おずおずと京が教室に入る。

少女は依然として、黙々と本を読んでいる。

そして、京が隣の席へ座ろうとしたその時


黒髪の少女「ねぇ」


京「?!

あ…えっと、俺、桃李 京っていうだ…その、よろしく」


黒髪の少女「そう、どうでもいいけど、隣に座らないでもらってもいいかしら…?

こんなに沢山席が空いてるんだし、どこか他の席に座ればいいんじゃない?」


京 (え、えぇ…)


京「あ、あはは…、ま、まぁ、これから1年くらい一緒に授業受けるわけだし、仲良くしたいなって…だから…隣に…」


黒髪の少女「そうなの、でも私はあなたと仲良くするつもりはないし、話しかけられても迷惑だから、隣はやめていただきたいわ」


京 (え、俺なんかこの子に悪い事したっけ…!?

いや、初対面だよね…

あんまり人と関わらないタイプの子なのかな…

ええと、とりあえずこういう時は、一旦引いた方がいいよな…)


京「あ、ははは…そ、そうだよね…」


京はそそくさと席を立つと、数席空けて、席についた。


そして、そのまま机に突っ伏す。



京(………

最悪のスタートだ…。)

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