明日から
校長「先程も言ったとおり、これは我が校にとって、初めての試みなのだ。
今まで、理系には理系分野の、文系には文系分野の勉強を重点的に行ってきた。
が、ここにきていきなり、他分野の勉強をすることになれば、多くの生徒が置いていかれることになるかもしれない。
それでは、このプロジェクトを打ち出す意味がない。」
京「はぁ…それはたしかにそうですね…」
校長「そこで我々は、このプロジェクトを施行する前に、もっとも単純で効果的な方法を使い、試運転することにした。」
京「...?」
校長「この学校の理系クラスの中で、文系科目の成績が…あまり高く無い者
そう、成績があまりかんばしく無いものを選出し、サンプル学生としてこの文理混合の授業を受けてもらうことにしたのだ。
他分野があまり得意でない者でも授業について来られれば、必然的に他の者も問題なくついて来られるだろうということだ。」
京 (遠回しに言ってるけど、つまりは俺の国語の成績が悪いって話だ…)
校長「もちろん、文系クラスからも理系分野の成績があまり良くない者を選出してある。
それでどうかな、学生のサンプルとして、この授業を受けてもらえないかね」
京「あの…それって放課後に残って授業を受けるんですよね…?」
校長「その通りだ、だからサンプルの生徒は、部活動に所属していないものを選出させてもらったんだが…。
放課後だと、何か都合が悪いかね?」
京 (放課後に数学とか物理の問題解く時間が減っちゃいそうだしなぁ…うーん…)
校長「もちろん、それなりの謝礼は払うつもりだが…
アルバイトのようなものだしね」
京「……!!
是非!やらせていただきます!!」
京 (やった!これで新しい数学書や物理学書が買える…!)
校長「おお!よかった。では、明日からよろしく頼むね。」
京「はい!………
…って、明日から?
いきなりですか?!」
校長「そうとも
明日から君は、文理混合授業のサンプル学生だ」