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73.帝都へ

「ここが帝都か。やっぱり首都なだけあってでかいな」


 俺はそびえ立つ巨大な門を眺めながら1人呟く。そんな俺の隣でキョロキョロと辺りを見回す魔導人形……マノンは早く入りたそうな雰囲気を出しているが、俺の側にいるのを優先しているのかちゃんと順番を待っている。


 マノンというのは魔導人形の名前だ。魔導人形と呼び続けるのは面倒だし、彼女が俺に名前をつけろと言うのでつけた名前だ。


「かなり高えだろ。ジークは帝都、帝国ができる前はここに何があったか知っているか?」


「いや、知らないが」


「まあ、かなり昔の話だし、ジークは他の国の人間だから知らないか。帝国ができる前はな、ここには1体の巨人がいたらしい。魔王タイタニス。全長で30メートルあったと言われている魔王だ。そんな魔王が1体鎮座していたようで、ここにはどのような生き物も住む事は出来なかった。

 そこにやって来たのが、初代皇帝となり、大帝国を作り上げた男、レイベルク・クライアントがその魔王を倒したと言われている。

 そして、魔物の脅威から民を守るためにこの門とそれに連なる壁を建てたそうだ。この壁は帝国となった今でも壊された事は無いそうだ」


 帝都の巨大な門や壁を見ながら自慢げに話してくれるダレン。どうしてダレンがそんな昔な話を知っているのかは聞かないで、その初代皇帝はとんでもない人物だったんだな。


 30メートルの巨人で魔王だったそいつを倒すほどの実力を持っていて、大陸の3分の2を統治出来るほどの頭脳も持っていたって事だろ。いやー、とんでもない化け物もいるもんだ。


「ダレン、あなたその話になると長くなるからそこで終わりよ。丁度私たちの順番だし」


「あっ、お、おう、わかった」


 もう少し聞いてみたい気もしたが、門の順番が俺たちの番になったので進む。


「お前たちは冒険者か? それなら冒険者カードを提示するんだ」


 俺たちが門番の前に行くと他の場所と同じようにカードを提示するように言われる。俺とダレン、そしてセイレンは勿論カードを持っているが、魔導人形であるマノンは当たり前だが持っていない。


 そこで、どうしようかと考えた結果、普通に入国料を払う事にした。変に誤魔化すよりそっちの方が後々聞かれてもいいように。ただ、魔導人形というと何されるかわからなかったので、俺の妹としてだけど。


 マノンの金を払って問題なく入る事が出来た俺たち。かなりの人の数だ。俺がいた王都よりももしかしたら多いかもしれない。


「よし、問題なく通れた。まあ、わかっていた事だが。それじゃあ行こうぜ。ちょっと話を聞いたが何とか間に合ったみたいだしな」


「……やっぱり行かなきゃダメか?」


「悪いな。どうしてもお前に読んでもらいたい魔導書があるんだよ。ただ、その魔導書どうしても持ち出す事が出来なくて中に入らないといけないんだよ」


 そう言い苦笑いをするダレン。まあ、この帝国で調べ物をするのにうってつけの場所なのだろうけど、少し憂鬱だ。俺がまた……学園に入るなんて。


「さて、行こうぜ、ジーク。入学試験を受けに!!」

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